微量の血液から脳神経系に関連するバイオマーカーを調べる 研究用試薬4製品発売、ラインアップ拡充
2025.9.1
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:小笠原 信)は、血液検体(血漿等)を用いてアルツハイマー病を始めとする脳神経系疾患に関連するバイオマーカー(181位リン酸化タウ蛋白(pTau181)、アポリポ蛋白E4(ApoE4)、Neurofilament light (NfL)、Glial fibrillary acidic protein(GFAP))を検出する研究用試薬4製品を、9月1日に発売します。
今回発売する4製品は、アルツハイマー病を含む脳神経系の疾患との関連が指摘されている血液バイオマーカーのうち、pTau181、ApoE4、NfL、GFAPをそれぞれ検出する研究用試薬です。いずれも電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)を測定原理とし、当社のコバスシリーズの全自動免疫分析装置で測定することができます。
pTau181は、アルツハイマー病患者においては、健常者と比較してpTau181の血中濃度が有意に高値を示すことが複数の研究で報告されており、臨床応用に関する研究も進められています1)。ApoEは、アルツハイマー病発症に関与すると考えられている感受性遺伝子で、遺伝子型によってアルツハイマー病発症のリスクが上昇することが報告されています2)。NfLは、ニューロン(神経細胞)の軸索に存在するタンパク質で、神経細胞や髄鞘軸索の障害・変性のマーカーとして、そして、GFAPは、脳のアストロサイト(神経膠細胞)の細胞骨格を構成するタンパク質で 神経細胞や髄鞘軸索の障害・修復のマーカーとして知られています。
近年、アルツハイマー型認知症との関連が指摘されている血液バイオマーカーは、被検者への侵襲的負担を低減し、より広く検査の機会を提供できるものとして期待され、開発が進められています。本試薬は、ロシュのアルツハイマー病を始めとする脳神経系の疾患領域における血液バイオマーカー開発の取り組みのひとつであり、本年4月30日に発売したpTau217(血漿中217位リン酸化タウ蛋白)を測定する研究用試薬に続く発売となります。
【国内における、ロシュのアルツハイマー病を始めとする脳神経系疾患に関連する製品の販売状況】
研究用試薬(ヒト、動物への医療、臨床診断への使用を目的としたものではありません):