ロシュの支援をこの目で見て、伝える。チルドレンズ・ウォーク アンバサダーの想い

ロシュグループでは毎年、社員参加型のチャリティイベント「ロシュ・チルドレンズ・ウォーク」を開催しています。さまざまな企画を通じて社員から集まった寄付が、支援を必要とする子どもたちのために活用されています。

マーケティング本部の辻野さんは、毎年チルドレンズ・ウォークに参加している社員の一人です。2020年には、全世界の約100,000人の社員の中で、イベントへ特に積極的に参加している社員から選ばれる「チルドレンズ・ウォーク アンバサダー」にも任命されています。辻野さんに、アンバサダー任命の経緯や、社会貢献活動への想い、ロシュの姿勢について伺いました。

辻野さんがロシュに入社を決めた理由のひとつに、ロシュ・チルドレンズ・ウォークの前身である、エイズ/HIV孤児を支援するプロジェクト「エイズ・ウォーク」があります。辻野さんには身近に、幼くしてエイズを患った知人がいました。「こういった人たちの存在を忘れずに医療に関わる仕事を続けていきたい」という想いとも重なり、ロシュで働くことを考えるようになったのです。

「助けが必要な人や場面はいくつもあります。そこには、なぜそうなったかという理由はありません。そうであるならば、行動を起こすことに理由やきっかけはいらないと思います。心が動いたら行動する、それこそがボランティアだと考えています。」と辻野さんは言います。その信条から、これまで身近にできるボランティアに参加してきました。

その中の一つが、2011年の東日本大震災です。

「関東に住んでいたこともあり、東日本大震災はやはり大きなインパクトのある出来事でした。『自分にも何か力になれることはないだろうか』という想いが大きくなり、津波で泥だらけになった写真を洗浄し再生するボランティアに参加することから、行動を始めました。また、ロシュは被災地での検診ボランティアを募っていたため、そのチームにも参加して、現地を訪れたのです」

狭い避難所で生活されている方々は、運動不足からエコノミークラス症候群のリスクが高まってしまいます。その発症を予防するために、医師や医療従事者が被災地を訪れ、検診を実施していました。ロシュ社員が担っていたのは、会場周りをサポートしたり、問診票記載のお手伝いしたりするなどの役割です。

「そうした検診サポートは、検査薬を扱っているロシュならではの貢献だと感じました。私は、検診を受けに来た方から日ごろの生活や運動についてお話を聞き、問診票を埋めていく役割を担当しました。そのヒアリングのなかでは、地震や津波の体験談をお話してくださる方も少なくありません。被災された方々の中に『被災地の現実を知ってほしい』と思っていらっしゃる方がいることは、現地に行かないとわからないことでした。交流も含め、本当に貴重な経験をさせていただいたと感じています」

チルドレンズ・ウォークにも、辻野さんは毎年参加してきました。コロナ以前は対面でのチャリティ活動が活発に行われていたため、それらに参加したり、チルドレンズ・ウォークと社内クラブ制度との共同企画があったときには、所属している社内の陸上クラブメンバーと一緒に走った距離に応じて寄付をしたりしてきました。日頃の業務で関わらない社員と交流できる機会としても楽しみながら関わってきたそうです。

「コロナ禍以降は、そのように多くの人と集まるイベントは難しくなってしまいました。そんな中、2020年にチルドレンズ・ウォークの国内活動として『ゆめいろシューズプロジェクト』が始まりました。これは、ホスピスで病気と闘っている子どもたちに、自分がデザインした世界に一足だけのシューズを贈るという企画です。私自身が歩いたり走ったりするのが好きなので、新しいランニングシューズを選ぶときの気持ちを想像してみました。その瞬間のワクワク感、期待感を子どもたちに届けられることにとても共感でき、寄付をさせていただきました。

また、入社当初から参加してきたこの活動そのものを応援したいという気持ちや、いままでいろんな場面で助けてくださった人たちに対する感謝の想いも、寄付という形で表現したいと思いました。

そうしたチャリティ活動への貢献から、辻野さんは「チルドレンズ・ウォーク・アンバサダー」候補者としてノミネートされることになります。そして2020年、厳選な抽選の結果、世界150カ国以上の国や拠点からわずか9名が選ばれる「チルドレンズ・ウォーク・アンバサダー」に任命されたのです。

 「アンバサダーになるために活動していたわけではないので、自分が選ばれたときには本当に驚きました。しかも、他国のアンバサダーから話を聞くと、この役割を目指して頑張ってきたという方々も多く……私でいいのだろうかと思ったりもしましたね。でも、アンバサダーの仕事は、できるだけ多くの社員にチルドレンズ・ウォークに関心をもってもらい、支援の輪を広げていくこと。こうした役割をいただけたことは、光栄に感じています」

アンバサダーの仕事のひとつとして、集めた寄付金で支援した先を訪れる「アンバサダーズ・トリップ」にも参加しました。行き先は、カンボジアのNGO「Child‘s Dream」。世界でも有数の貧困国といわれるカンボジアで、教育環境改善のために活動している団体です。ロシュは、劣悪な教育環境インフラの改善や、貧困によって学校に通えない生徒たちへの奨学金支援を行っています。

「NGOの方たちと一緒に、寄付金で建て替えられた小学校の新校舎落成式に参加させていただきました。しかし、小学校をつくるだけでは教育は行き渡りません。家族や周りのコミュニティに、教育の重要性を理解してもらい、子どもたちが当たり前に学校に通える“環境”や“価値観”を整えていくことが必要です。NGO共同創設者の方が、現地の子どもたちに学校に通うことを勧めながら『身につけた教育を、君たちから奪うことは決してできない』と激励していたことが、とても印象に残っています。教育を受け、将来は医者や教師、ツアーガイドになって家族や周りの人たちを助けたい。そして、カンボジアの社会を変えていきたい――そんな強い気持ちを持った生徒たちからも話を聞き、彼らの情熱に心を打たれました」

現地の子どもたちには、直接ランドセルを手渡す機会もありました。最初は恥ずかしがって手を出さなかった子どもたちが、うれしそうに自分の好きな色を選んでいく光景に、辻野さんも心から嬉しくなったといいます。

「アンバサダーズ・トリップを経て、あらためてロシュの視座の高さを感じました。ロシュは世界全体を広く見渡し、いま本当に支援が必要な団体とともに、社会全体のクオリティ・オブ・ライフを改善するための活動を続けているのです。

私ははじめ、自分のチャリティ活動と他国の教育改善が、どうリンクしているのかいまいち理解できずにいました。しかし、多くの方がよりよい生活を送るために、教育は欠かせないものです。そして教育の底上げが、多くの人生を引き上げ、社会を循環させていくことにつながるのです。クオリティ・オブ・ライフを向上させるのに必要な『すべての人が、自分の生き方に合った医療を自分自身で選択できる社会』のベースをつくるためにも、教育支援は大切な使命であると気づきました。

また、トリップでは一週間近く、通常業務を抜けることになりました。それでも上司や同僚は快くそれを受け入れて、仕事をサポートしてくれました。このような環境や社風にも、とても感謝しています」

今後の目標は、アンバサダーとして見聞きしたことや感じた気持ちを、できるだけ多くの社員に伝えていくこと。その先で、チルドレンズ・ウォークと社会とのつながりを感じてもらうことです。

「私たちの活動が社会にこれほどのインパクトを与えているのだと、ぜひ知っていただきたいと思っています。日本では社会貢献活動やボランティアはあまり一般的ではありませんが、身近なことから気軽に参加してみてもらえたら、もっと世界がひらけるはずです。自分の生活のことだけで手一杯になり、目の前の世界しか見えなくなることが、私にもよくあります。しかし、少しだけ視野を広げて社会を見つめ直すことで、新たに感じることがあるのだということをさまざまな活動で学ぶことができました」

5年後、10年後。アンバサダーズ・トリップで訪れたカンボジアを尋ね、あのとき建てた小学校によってどんな人が育まれ、社会がどのように変わっていったのかを見に行くのが、辻野さんの夢にもなったそうです。

2023年、チルドレンズ・ウォークは20周年を迎えます。ロシュはこれからも子どもたちの笑顔のために、多くの社員を巻き込んで活動を展開していきます。

「ロシュ・チルドレンズ・ウォーク」についてもっと知りたい方はこちら
 

「ロシュゆめいろシューズプロジェクト」についてもっと知りたい方はこちら

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