国を超えて働くことが、社員も会社も成長させる【ロシュの海外異動支援】

世界中に拠点があるロシュグループでは、多様性やグローバル人財育成の観点から、国を超えて異動し、さまざまな地域や文化のなかで働くことを支援しています。今回インタビューするのは、2023年1月にロシュ・ダイアグノスティックス・スペインからロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(日本)に移籍してきたガイアさん。海外法人から見た日本のロシュのよさやスペインとの違い、国を変えて働くことの面白さを聞きました。

知らない市場や文化のなかで働いてみたかった


――スペインのロシュにいるときは、どのようなお仕事をされていましたか? 日本に来ようと思ったきっかけは何ですか。

スペインではポイント・オブ・ケア(病室での検査や患者さん自身の自己検査など、患者さんの側で行われる検査のこと)の領域でマーケティングを担当し、セグメントマネージャーを務めていました。製品の導入や販売推進、ファイナンシャルの分野まで、一人で受け持っていたのです。ロシュ日本法人と仕事をする機会はなく、日本市場のこともあまりよくわかっていませんでした。

来日のきっかけは、夫が日本の会社に転職したことです。家族でともに暮らしながら、私もこれまでとは違う国で仕事をしてみたいと思いました。せっかくグローバル企業のロシュに勤めているのだから、日本の拠点に飛び込んでみよう。知らない国の文化や医療システムについて学び、自分の経験を活かして働くことで、またひとつ大きく成長できるはず――そんなふうに感じたのです。また、それまではスイスのグローバルチームと近い場所で仕事をしていたので、日本とグローバルをつなぐ役割も果たせるのではないかと思いました。

――とはいっても、国をまたいで引っ越し、異動するのは大変なことと思います。準備はスムーズに進みましたか?

まったく問題ありませんでした。ロシュには海外拠点への転籍を支援する制度が整っており、引っ越しなども手厚くサポートしてくれたのです。物理的な荷物の移動や住む場所の選定から、早く日本になじむための日本語学校の手配まで、会社が進めてくれました。

―仕事面では、オフィスに着任するまでになにか準備をしましたか?

スペインにいるときから、日本で所属することになる部署と連絡を取ったり、日本の上長とのインタビューを通じて、自分が就く役割についてのオリエンテーションや詳しい説明を受けていました。私がスペインで手掛けていた、検査データ等を管理する製品を日本でも展開するため、その戦略立案を担当することになったのです。もちろん、具体的な活動は着任してからになりますが、ある程度先に情報をもらえていたのは仕事をするうえで助かりました。

――日本市場の印象はいかがでしたか?

面白そうなマーケットだと感じました。スペインはほとんどの診療科をカバーできる大規模病院が多い一方で、病院の数はさほど多くありません。対して日本は、小規模で専門性の高いクリニックが多いと思います。保険償還のシステムも異なるため、新製品の展開にはスペインとは違ったアプローチが必要になると感じました。スペインで積んできたマーケティングの経験を別の環境で活かせることが楽しみでした。


――日本の仕事環境についてどう思っていますか?

日本の同僚や上司は優しく、親切で、仕事上のフォローはもちろん、夕食に招待してくれたり、社内のコーヒースペースでおしゃべりをしたり、よい時間を過ごせています。同じマーケティングのポジションでも、国によって働き方がまったく違うため、さまざまな国で仕事をすることでしか得られない経験があるとしみじみ感じますね。

――スペインと日本の働き方には、たとえばどのような違いがありますか?

スペインの働き方は、基本的にプロジェクトベースです。ひとつのプロジェクトに一人のオーナーがいて、プロジェクトに付随するさまざまな業務の責任は、そのオーナーが担っています。私もオーナーの経験がありますが、一つの製品に対するさまざまな側面の仕事を一括して見られるのは有意義でした。意思決定は基本的にチームで行いますが、オーナーがすべてを把握しているため、決断のスピードも比較的速いです。

対して日本は、プロジェクト内の業務を細分化して人に割り当てていく、タスクベースの手法を取っています。業務を与えられたメンバーがその責任を持つため、意思決定が必要なときは、メンバー同士の対話で方向性を決めます。多少時間はかかりますが、多くの人と協力しながら仕事を進めていく日本式のスタイルも学びが多く、とても楽しいです。新しい働き方に自分を適応させていくことで、成長している実感も得られています。

ただ、国や市場が違うといっても、どんなビジョンで仕事をしているのか、患者さんに何を届けていきたいのかという根幹は、どの国でも共通です。それは、グローバルカンパニーとしてのロシュの強みだと思います。だからこそ、国が変わっても心地よく働けるのだと思います。

――スペインで発売まで手がけた検査データ等を管理する製品を、日本で担当することになったということですが、過去の知見はどのように活かせましたか? 

スペインでの導入時は、医療従事者のニーズを汲み取りながら展開していくことが大切だと学びました。日本ではその知見を基に、ニーズを理解するための機会をしっかりと設け、丁寧に導入を進められていると思います。例えば、多くのお客さまにインタビューし、現場の声を吸収した上で、ロシュの製品がどのように役立つかを考えています。もともとこの製品が大好きだったので、日本で認知を拡大してゆくプロジェクトに参加できたこと自体がうれしいです。日本はコロナ以降デジタルツールの導入が伸びており、データを一括管理する需要も高まっているため、今後もこのプロジェクトはますます面白くなっていくと思います。

言語やコミュニケーションに、壁はない


――ガイアさんは日本語がほとんど話せないと伺っています。言語の壁はいかがですか?

所属しているマーケティングチームは英語が話せる人が多いですし、英語が苦手な方と打ち合わせをするときには翻訳ツールなどを使うので、コミュニケーションは問題ありません。担当分野以外の部署の方々とやりとりをする機会も多いですが、周りのサポートもあり、連携もスムーズにできています。仕事をするうえで言語が大きな障壁になっているとは感じませんが、もっと日本語を話せるようにはなりたいですね。いま週一回の日本語教室に通って勉強中です。

――では、最後にこれからしていきたいことを教えてください。

まずは、いま担当している製品を日本の多くの人に知ってもらい、ポイント・オブ・ケアのビジネスに貢献することです。それから、せっかく日本に来ているのだから、所属外の領域でも何か挑戦できたらうれしいですね。日本での暮らしもとても気に入っていて、ずっとこのまま住むのもいいなと思うほどです。休日には夫と東京の街歩きを楽しんだり、飛行機や新幹線でちょっと遠出の観光をしたりしています。

まったく違う国で仕事をするのは、ビジネスパーソンとして本当にいい経験です。会社にとっても、多くの社員がさまざまな国の文化や領域を体験することは、大きな価値になるはずだと信じています。それに、多様性豊かな人材が育っていけば、会社全体の実績向上や文化の発展につながると思います。もし国をまたいで働くことに興味を持っている方がいたら、ぜひチャレンジしてみてください。ロシュは、その挑戦を温かくサポートしてくれますよ。

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