しかし、そうした感情が湧き上がるのは、名作絵画をじっくりと時間をかけて観賞した場合のみでしょう。全体を見るだけでは足りません。一見しただけでは見逃してしまうかもしれない細部まで、理解することが必要なのです。
細部までしっかり見ること――実は、これこそが“病気を発見する技術”です。
今回、皆さんに「細部」をよく見ていただくため、歴史を象徴する名作絵画の力を借り、バーチャル美術館をご用意しました。この美術館の特徴は、世界の名作に「ほくろ」のような点をつけていること。このほくろを、じっくりと見つめてみてください。
この点は、ほくろでしょうか。それとも皮膚がんのひとつ「メラノーマ(悪性黒色腫)」でしょうか?
メラノーマはほくろと似た形態をしていますが、よく見ると違いがあり、自分自身でも発見することが可能です。発症に人種差がある疾患で、白人では頻度が高いですが日本人は10万人あたり1~2人とされ、国内では希少がんとして扱われています※¹。
ほくろがメラノーマである条件「メラノーマのABCDE」を用いれば、自分自身で、ほくろがメラノーマであると気づくことができます。
Aは Asymmetry(左右非対称):左右非対称で不規則な形をしている
Bは Borders(境界):境界が不明瞭であったり、不規則であったりする
Cは Colours(色):茶色、黄土色、黒、赤、ピンクといったムラのある模様が出現している
Dは Diameter(直径):直径が6mm以上である
Eは Evolution(進行):大きさや形、色が変わったり、出血、かゆみなどの症状が出たりする
それではいよいよ、メラノーマを発見する方法を学ぶ「バーチャル美術館」へお連れしましょう。皆さんの命を救うのに役立つかもしれません。
※
メラノーマを発見するには、月に1回程度、ほくろやその他の皮膚の色素斑を検査するのが理想です※²。 しかし最近のロシュの調査※³ によると、実際にそうしている人はわずか17%しかいません。さらに、調査対象者のなかで、一年中肌を保護していたのはたった20%。「メラノーマのABCDE」をすべて知っていたのは、10%未満です。
「メラノーマのABCDE」を学び、自分の身体の「ほくろマップ」を知ることで、ほくろの外観や感覚の変化を見つけやすくなります。
メラノーマはどこにでも発生する可能性があるため、全身をチェックすることが大切です。男性の最も発生しやすい場所は、胸と背中。女性の場合は、脚が一般的です。肌の色が濃い人では、手や足、爪の下から始まることもよくあります※⁴。 明るい部屋で全身鏡と手鏡を使い、肌の見えにくい部分までチェックしてください。手のひら、足の裏、頭皮、耳、爪、背中など、いたるところを調べましょう。自分で見えない部分は、友人や家族に見てもらいましょう。
気になるほくろやシミを見つけた場合は、できるだけ早く医師の診察を受けてください。メラノーマであっても、早期に発見・診断されれば、小さな手術で治すことができると言われています※⁵。
病気の発見方法を知れば、命を救うことができるかもしれません。
原文は
出典
日本皮膚科学会ホームページ「皮膚科Q&A」
American Cancer Society. Melanoma Skin Cancer Early Detection, Diagnosis, and Staging. (2016).
Available at:
Roche conducted a survey in April 2019 with respondents from the following countries: USA, UK, Canada, Germany, France, Spain and Italy.
International Agency for Research on Cancer. Publications. Pathology and Genetics of Skin Tumours (2017). (Accessed April 2019)
日本皮膚科学会ホームページ「皮膚科Q&A」
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