グローバルプロジェクトで、医療アクセスの改善に取り組む

いまもなお世界中の多くの人が、すでに治療法が分かっている病気に苦しんだり、死亡のリスクにさらされたりしています。その理由は、正しい医療知識や治療に適した時期、医療環境を知らないからです。
たとえばインドネシアは、1万7,000を超える島々と2億7,000万人の人口をもつ国であるにもかかわらず、がん専門医は約140人、外科医は約200人しかいません。適切な医療知識や治療にアクセスできる機会が、圧倒的に少ないのです。

Project ECHOは、そうした低中所得国における“最適ながん治療へのアクセス拡大”を目指すグローバルプロジェクトです。遠隔地や医療サービスが行き届いていない地域と各国の優れた機関を繋ぎ、医療教育や治療管理のための「共同遠隔教育プログラム」を提供しています。充分な医療サービスがない地域の医療従事者を教育・指導することで、多くの患者さんを迅速かつ効果的に診断・治療し、よりよいケアが施せる状態を目指します。

Project ECHOは2003年の設立以来、世界中の人々へサービスを提供できるまでに成長してきました。現在は59か国、724を超える拠点で70の疾患領域を網羅し、192か国に学習者がいます。提供されているバーチャル教育プログラムは無料。低中所得国の医療環境を変えるため、ロシュは、ECHOの追加プログラム開発も積極的に支援しています。2025年までに10億人の命を救うことを使命として、医療・教育の大きな課題と向き合っているのです。

2020年10月、ロシュは、Project ECHOとの3年間のパートナーシップを開始しました。そして、医療アウトカム改善を目指し、世界7か国(インド、インドネシア、コートジボワール、マレーシア、パキスタン、フィリピン、カナダ)でECHOパイロットスキーム(試験的プログラム)を支援しています。

ロシュの支援方法は、地域特有の医療知識の提供やサポートだけにとどまりません。デジタル技術とがん治療の業界リーダーとして、グローバルな専門知識も提供しています。初期インフラをサポートすることで、主要な拠点以外でも医療機能を拡張し、より多くの患者さんに届けられるよう支援しているのです。

最初は、女性特有のがんに焦点を当てるところからProjectを開始しました。まずは2021年、フィリピンとインドネシアで、乳がんに焦点を当てたECHOプログラムをスタートしました。将来的には、他のがんもカバーできるよう拡大する予定です。

さらに、ロシュはコートジボワールの保健省との合意文書に署名したばかり。2022年半ばまでに、同国で子宮頸がんのプログラムを開始する予定です。他の国でのプロジェクトは交渉中で、今後は毎年2か国でプロジェクトを開始することを目標としています。

近年のECHOプログラムはインドネシアとフィリピンで成功し、すでにその地域に大きな成果をもたらしています。フィリピンのパンパンガ州にあるグアグア町と、インドネシアのジャカルタにあるダルマイス国立がん病院が、ECHOプログラムの「乳がん管理のためのヘルスケア戦略」に注力することを決定しました。

たとえば、インドネシアのダルマイス国立がん病院は、国の乳がんセンターのネットワーク形成を加速。保健省の支援を受けて、ECHO遠隔教育プログラムを取り入れました。バンテン州のタンゲラン市で、乳がんの早期発見プロジェクトを開始した患者団体にも、このプログラムが採用されています。
地元関係者は、国立がんセンターとともに、プログラムの拡大案も策定。2024年までに、10の拠点と110の参加者から成る遠隔教育ネットワークの確立を目指しています。

フィリピンの地方の市では、プロジェクトを長く持続させるため、乳房の早期スクリーニング検査と乳がん発見に資金を割り当てる条例を発令しました。

ロシュとProject ECHOのグローバルなパートナーシップを通じて、他の国での活動と同様に、バーチャル・ネットワークを活用したがん検診プログラムの強化も検討されています。たとえばタンザニアでは、地域全体で数十を超えるECHOの拠点を活用して、施設と紹介病院をバーチャル接続することが可能になりました。

また、HIVプログラム(※1)に貢献してきたロシュのプレゼンスによって、既存の拠点を最大限に活用することができます。11の地方病院にあるロシュのHPV(※2)検査システム15台とともに、HIVおよび子宮頸がんの世界的な目標を達成するため、これからも歩みを進めていきます。

※1 ロシュは長年にわたり、医療アクセスが十分でない国において、適切なHIV検査及び治療のための活動を推進しています

※2 HPV検査: 子宮頸がん等の原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)を調べる検査

原文はこちら(ロシュグループサイト)

本ウェブサイトでは、幅広い利用者を対象とした製品情報を掲載しています。お住まいの国では利用できない製品、もしくは認可を受けていない製品の詳細情報が掲載されている場合もあります。それぞれの居住国における正当な法的手続や規制、登録、慣習法を満たしていない可能性のある情報の閲覧に関しては、当社は一切の責任を負いません。

お問い合わせ世界の拠点linkedinfacebooktwitterinstagramyoutube企業情報診断薬事業採用情報メディアプライバシーポリシー法律上の注意SNS利用規約インターネット上での当社機器取引および購入に関するお断り