子宮頸がんの予防は、適切な検査から

子宮頸がん検診は、子宮頸がんの予防や早期発見に役立ちます。ほぼすべての子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因だとわかっており、子宮頸がんはさまざまながんの中で、もっとも予防しやすいがんのひとつなのです。

「赤ずきんサイト」

子宮頸がん検診にワクチン、そして治療が揃っている現代において、子宮頸がんで亡くなる女性は、本来一人もいないはずです。

しかし、HPVワクチン接種や検診が実施されている国でも、多くの女性が子宮頸がんと診断され続けています。どうしてでしょうか。

原因の一つには、定期的に子宮頸がん検診を受ける重要性が認識されていないことが挙げられます。また女性は、忙しい生活の中で、検診より他の予定を優先してしまうケースも多く見られます。

また国によっては、すべての女性が検診を受けられるわけではありません。子宮頸がんによる死亡の約90%は、女性が必要なケアを受けられない国で発生しています。その結果、子宮頸がんで亡くなる女性が、2分に1人もいるのです。※1

ただし、最新の医療技術は、子宮頸部の病気を発見し、進行を止めることを可能にしました。つまり大切なのは、子宮頸がんのリスクを抱えている女性を、病気が進行して浸潤がんが発生する前に見つけることなのです。


子宮頸がんは、子宮の入り口にある子宮頸部に発生するがんで、世界中の女性に最も多いがんのひとつです。特定のHPVウイルスに持続的に感染することで、子宮頸部疾患のリスクが高まります。子宮頸部疾患は、放っておくと時間の経過とともに、子宮頸がんに進行する可能性があるのです。

ただし、子宮頸がんは早期に発見し、効果的に治療すれば、最も治りやすいがんのひとつでもあると覚えておきましょう。2


子宮頸がんのほとんどは、性行為で感染するヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされます。HPVには多くの型があり、リスクが高い特定の型が、子宮頸がんの原因になるのです。

ただし、検査によってハイリスクなHPVに感染しているとわかった人が、みな子宮頸がんを発症するわけではありません。しかし、ウイルスがそのまま持続し、身体の自己免疫によって抑えられない場合、時間の経過とともに細胞が変化して、がんにつながる可能性があります。がんが発生するまでには何年も、場合によっては10年かかることもあるため、女性の健康状態を長期にわたって管理することが重要です。


HPVや子宮頸がんの診断について、なぜ偏見があるのか疑問に思ったことはありませんか?

そもそもHPVは、非常に一般的なウイルスです。通常の性行為やパートナーとの結びつきの中で、無意識のうちに共有する可能性が高いといえます。性交の方法やコンドームの使用の有無にかかわらず、何らかの性的接触によっても感染する場合があります。そしてほとんどの場合、感染しても発病するまで症状は出てきません。

ごく一般的なウイルスなので、HPV検査で陽性だったり、子宮頸がんと診断されたりすることを非難したり、恥ずかしがったりする理由はありません。HPVにまつわる誤解を解くには、HPVについてオープンに話すことが大切です。

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Q.子宮頸がん検診は痛いですか?

A. 痛みの感じ方は人それぞれなので一概には言えませんが、ほとんどの女性が、細胞診やHPV検査で子宮頸部の細胞を採取する際、ほとんど不快感を抱かないという報告があります。

Q. ハイリスクHPVの検査で陽性だった場合、どのような意味がありますか?

A. HPV DNAは子宮頸がんの99%以上で検出されますが、HPV検査で陽性であっても、多くの女性は子宮頸がんを発症しません。しかし、「ウイルスを排除できる人」と「浸潤がんを発症する人」が見極められないため、さらなる検査でフォローしていくことが重要です。とくに最もリスクの高い型であるHPV16型とHPV18型は、日本の場合、子宮頸がんの全症例の半数以上を占めています※³。このいずれかで陽性と判定された場合は、フォローアップのためにすぐに再検査を求められる場合があります。


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Q. ハイリスクHPVの結果が陰性であるとはどういう意味ですか?

A. ハイリスクHPVの感染が検出されない場合は、今後3~5年以内に子宮頸部の前がん病変またはがんを発症するリスクが非常に低いということになります。次に推奨される検診日まで、フォローアップの必要性は低いでしょう。

Q. HPVワクチン接種を受けていても、子宮頸がんになるリスクはありますか?

A. あります。HPVワクチンを受けていても、子宮頸がん検診は必要です。このワクチンは、がんの原因となるリスクが高いHPVの型から身体を守ってくれるものですが、がんを引き起こす可能性があるすべての種類のウイルスに効果があるわけではありません。そのため、定期的に子宮頸がん検診を受けて、潜在的な病気を早期に発見し、将来がんを発症する可能性を減らすことが重要です。

Q. パートナーと長期的な関係にある場合でも、検診を受ける必要がありますか?

A. はい。既婚女性や、同じパートナーと長期的な関係にある女性であっても、検診を受ける必要があります。

Q. 自覚症状がないのに、検診を受ける必要はありますか?

A. はい。子宮頸がん検診は、病気の徴候や何らかの症状が現れる前にがんを発見することを目的としています。そのため、自覚症状がなくても定期的に検診を受けることが重要です。

参考

  1. Arbyn M, Weiderpass E, Bruni L, Sanjosé S de, Saraiya M, Ferlay J, et al. Estimates of incidence and mortality of cervical cancer in 2018: a worldwide analysis. Lancet Global Heal. 2019;8(2):e191–203.

  2. (originally accessed 15 Aug 2022)

  3. ICO/IARC Information Centre on HPV and Cancer Japan「Human Papillomavirus and Related Cancers, Fact Sheet 2021」参照

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原文はこちら(ロシュグループサイト)

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