減らない性感染症。「少しでも心配なことがあれば、恥ずかしがらずに検査を」

年間5万人以上が罹患しているとされる性感染症※¹。クラミジア、淋菌、梅毒など、耳にしたことはあっても「まさか自分が」と思う人は多く、感染者数の減少は見られません。性感染症は、放置すれば妊娠・出産などにも影響を及ぼす可能性があり、検査をして早めに発見することが重要です。

こうした性感染症の検査薬を普及していくためには、どのような取り組みがあるのでしょうか。マーケティング担当の武重さんに、性感染症の現状、検査の重要性や婦人科疾患におけるかかりつけ医の重要性、ロシュだからできることなどについて伺いました。

 

※*1 厚生労働省「性別にみた性感染症(STD)報告数の年次推移」2020年のデータより

ロシュが、いままで市場になかった検査薬を推進していく

――まず武重さんは、いまどのような業務を担当されているのでしょうか。

 性感染症を検査するためのさまざまな製品を普及させる活動をしています。たとえば、一般的にもよく耳にする「クラミジア」や「淋菌」の検査薬はロシュでも長く扱っており、2020年にはバージョンアップがなされました。そして2022年に新しく、「腟トリコモナス」と「マイコプラズマ・ジェニタリウム」の検査キットが発売され、それを販売したり市場に展開したりする業務を担当しています。

 ――さまざまな性感染症に対して、ロシュが検査薬を提供しているのですね。

 こうして幅広い性感染症に対応できるのは、多くの病原菌の遺伝子検査を手がけてきたロシュならではだと思います。2022年に発売したマイコプラズマ・ジェニタリウムなどは、これまで検査薬がなかったために、病院で確定診断ができていませんでした。そのため長い間、医師や技師の先生方からは検査薬がほしいというお話を伺っていました。ロシュはそうした声を受け止め、いち早く開発を進めていました。

 ――そうした新しい検査薬を市場に出すためには、どんな作業が必要なのですか?

診療で使われる検査薬として発売するためには、体外診断用医薬品の薬事承認申請と、保険適用のための手続きを進めなければなりません。新しい検査薬の場合は、体外診断医薬品として承認を得るのに通常より時間がかかります。また保険適用されるためには、臨床的、経済的観点から製品の価値を認めてもらう必要があります。いい検査薬でも保険適用外ではなかなか広まっていきませんし、保険適用されても医療現場に知ってもらわなければ活用していただけません。ですので、諸々の承認が降りたあとは、さまざまな角度から検査薬を世の中に広めていくフェーズに移ります。

 今回は学会で有識者の先生に検査の意義を説明いただいたり、製品紹介のリーフレットをつくったり、地道な展開を進めていきました。ある先生から「ロシュが、ようやくマイコプラズマ・ジェニタリウムの検査薬を出してくれました」とお言葉をいただいたときは、これまでの苦労が報われるような思いでしたね。ロシュには、いままで市場になかった検査薬を新たに出していくための開発力と実行力があると感じていますし、患者さんに寄り添った価値を提供することができる会社だとも感じています。

性感染症は「自分とは関係ない病気」ではない

――いま、日本の性感染症はどのような状況なのですか?

 多くの病気は治療薬や検査薬によって少しずつ患者数が減っていく傾向にあるのですが、性感染症はほぼ横ばいで、いつも一定数の患者さんがいます。厚生労働省の定点報告では、近年は梅毒やクラミジアが増加傾向です。新型コロナウイルスの流行によってさまざまな検査が控えられてしまったなかでも、性感染症の検査は減っておらず、じつは身近な病気だということがよくわかります。

 ――数で見れば一般的な病気なのに、どうして検査が広まっていかないのでしょうか。

 やはり「普通に生活していればかからない、自分とは関係ない病気」「かかると恥ずかしい病気」といったイメージが根強いのだと思います。特に女性の場合、クラミジアなどに感染してもほぼ無症状で、気づかないケースが多いとされています。しかし、感染状態をそのまま放置してしまうと、じつは不妊症の原因にもなりうるのです。

子宮頸がんなどもそうですが、婦人科系の病気には感染初期には気づきにくいのに、気づいたときには深刻な状況になっていて、人生に大きな影響を及ぼしかねないものが多々あります。だからこそ、少しでも心配なことがあれば、検査を受けることがとても大切だと思います。婦人科に対しては、「妊娠してから行く病院」と思っている方や、足を大きく広げる診療台に抵抗がある人も少なくありません。症状が出てからではなく、何もない常日頃から検査を受けていただくには、こうした受診のハードルを下げることが重要だと思っています。

正しい情報をキャッチし、かかりつけ医をつくってほしい

――検査や受診を促すために、ロシュでは何か取り組みはしていますか?


誰もがネガティブなイメージを持つことなく病院にかかれるよう、性感染症の正しい知識を伝えるための啓発イベントなどを実施してきました。2020年には、Webサイト&小冊子 もリリースしています。これは私がマーケティング部に配属されたとき、それぞれの病気や検査に対する冊子はすでにあるけれど、女性の病気を網羅した資料がないなと感じたのが制作のきっかけです。せっかくさまざまな種類の検査薬を扱っていて、ウィメンズヘルス全般に貢献できるロシュなのだから、ぜひ全体をカバーしたい。そう考えて何人かの女性社員で集まり、年代別にかかりやすい婦人科系の疾患チャートやクリニック受診の流れ、かかりつけ医の重要性といった情報をまとめました。とくにかかりつけ医をつくることは、検査や受診のハードルを下げるために大きなカギとなるはずです。

 

――かかりつけ医には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

信頼できる婦人科のかかりつけ医がいれば、ちょっとした不調があったときに気軽に相談ができます。ささいなことですが、初期に大きな症状が出にくい婦人科系の疾患では、その初動がとても大切なのです。婦人科や性感染症をもっと「身近で普通のこと」だととらえてもらえるようになれば、感染者数も少しずつ減っていくのではないでしょうか。もちろん妊娠や更年期といったほかの場面でも、かかりつけ医から心強いアドバイスがもらえると思います。

 

――最後に、性感染症の検査薬普及に向けて、武重さんの想いを聞かせてください。ロシュは遺伝子検査で性感染症やHPV(ヒトパピローマウイルス)、免疫検査で梅毒や、AMH※²、甲状腺などの項目を取り扱っていて、ウィメンズヘルスを幅広く支えている会社です。多くの検査薬を持っているからこそ、総合的に女性の健康をサポートしていくことができます。性感染症のみならず、これからも地道な啓発活動を通じて、さまざまな検査を知っていただきたいです。検査によって病気を見つけ、治し、クオリティ・オブ・ライフを上げていく方々が増えていくことを願っています。

※2  AMH:抗ミュラー管ホルモン。AMH検査は卵巣予備能を評価する血液検査で、女性の卵巣内に卵子がどれくらい残っているかの目安がわかる。

 

  • AMH検査についての記事は 

  • “女性のための「かかりつけ医」のススメ” webサイトは 

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