医薬・診断薬の原料提供を通じて世界中の患者さんに貢献する ロシュのカスタムバイオテック

製薬企業や診断薬企業などに医薬品や検査薬の原料を提供する、ロシュのカスタムバイオテック事業。「カスタム」にはお客様を中心に考える姿勢、「バイオテック」には最先端のバイオ技術でニーズに合った原料を届けていくという使命が込められています。
世界中に高品質な原料を届けるため、どのようなチームがどのような思いで働いているのか、カスタムバイオテックチームの澤上さんに聞きました。

クライアントの先にいる患者さんへの“貢献”を目指して


――澤上さんが所属するカスタムバイオテックチームとは、どのようなチームなのでしょうか。

製薬企業や診断薬企業、大学の研究室などに、医薬品や検査薬の原料を販売するチームです。ロシュが提供する原料の特長は、安全で品質が高いこと。世界トップレベルの医薬・検査薬を生産してきたロシュが、医薬品と同じ管理基準の工場で生産する原料だからこそ、高い信頼性が担保できるのです。取り扱う原料の種類は1,000以上で、医薬品製造に関わる原料は多くがGMP (Good Manufacturing Practice※) グレードであり、動物由来成分を含まないAOF (Animal Origin Free) 製品も増えてきています。

※医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準

カスタムバイオテックは、そうした原料を通じて新たな治療や技術の誕生に携わることのできる、とても面白い事業です。チームは10人足らずと小規模ですが、営業やマーケティング、エンジニア、アプリケーションスペシャリストといったさまざまなスキルを持ったメンバーがそろっており、チーム内で一連の業務が完結できる体制になっています。私はセールスチームのリードとして、メンバーの多様なスキルや経験を活かしたチームづくりに取り組んでいます。

――品質の高い原料をお客様に提供していくまでの業務は、どのようなフローで進められるのでしょうか。ロシュ・ダイアグノスティックスの主力である検査薬との違いはありますか?

主力製品と異なるのは、アプローチの仕方ですね。たとえば検査薬の場合は、クライアントが行いたい検査に応じて、最適なソリューションを組み合わせながら提案していくのが基本の動きです。でも原料の場合は、クライアントがどんな薬の開発を目指し、どんな研究をしているのかを知ることがまず難しい。研究開発の詳細は企業秘密なので、情報が外に出てこないのです。求められているものが何なのかわからないまま「こんな原料はいかがでしょうか」とやみくもにご提案しても、なかなかよろこんでいただけません。

そこで、まずはクライアントが出しているリリースや投資家向けの情報などを読み込み、どんな研究開発が進んでいるのかを考える。同時に、カスタムバイオテックのウェブサイトからさまざまな情報を発信し、どの企業がどの情報に興味を持っているか分析することで、その先のリアルな営業につなげていきます。このように、デジタルを主体に情報を集め、最適なアプローチを検討していくのが、カスタムバイオテックの営業の進め方なのです。

――原料ビジネスならではの苦労や、営業で気を付けていることはありますか?

まず、製品開発情報は企業秘密なので、クライアントに関する機密性を最優先に考えて情報管理を徹底しています。

それから、お客様中心で考えるロシュの「カスタマー・セントリシティ」は、カスタムバイオテック事業でも大切にしているところです。高品質の原料を求めているクライアントのなかには、検査薬のフィールドで競合になる企業も少なくありません。そうしたライバルたちに原料を提供することは、ロシュの利益だけを考えれば正解とはいえないでしょう。しかし、ロシュの原料を使って新しい治療法や検査技術が生まれたとき、その恩恵を受けるのは世界中の患者さんたちです。よい診断に繋がる原料を広く提供することは、エンドユーザーである患者さんへの貢献につながる。その姿勢で、クライアントに寄り添い、最適なソリューションを一緒に考えるようにしています。

クライアントが何を目指しているのか、何に困っているのかを誰よりも知り、チーム全員で解決策を考える。お客様が気づいていないようなインサイトを見つけ、価値を提供していく――これが、私たちセールスチームの目指しているマインドセットです。

世界の医療に革新をもたらす、夢のある仕事


――澤上さんはこれまで基盤ビジネスの営業や大手検査センターの担当など、営業分野でさまざまな経験をしてこられました。入社20年以上が経ってから初めてカスタムバイオテック事業に異動になり、どのような印象を持ちましたか?

カスタムバイオテックは本当にユニークなビジネスをしているチームなので、最初はまるで社内転職をしたかのような新しさを感じました。私はいま営業課長という役職ですが、求められるスキルは多岐にわたり、マーケティングやグローバルとのコミュニケーション能力も必要になります。大変なことは多いけれど、それがまた新たな学びや各所と連携するきっかけになり、仕事の面白さを広げてくれていると感じますね。海外のマーケティングチームやビジネスリードに直接コンタクトして情報交換をしたり、チーム内でそれぞれの得意分野を講義する勉強会の機会を設けたり、これまでにない経験ができています。

――いまのお仕事のやりがいは何でしょうか。

新しいものを生み出す仕事に携われるのが、カスタムバイオテック事業ならではのやりがいです。先日、スタートから10年近くもかかっていた大きな商談がついにまとまりました。とても革新的な検査方法を開発するプロジェクトで、どうすればこのビジネスが成功できるかを国内外のカスタムバイオテックメンバーとともに考え、伴走してきた案件です。ここからは実用化に向け、原料そのものの調整や供給体制を整えていくフェーズに入ります。

プロジェクトによっては、自分たちのアイディアで原料をカスタマイズし、いままでにない医薬・検査薬を生み出す一助になりえるーー大きな夢がある仕事だと思いませんか?社内ではユニークな立場のチームですが、私たちの仕事を知り、面白そうだと感じてもらえたら、とてもうれしく思います。

――カスタムバイオテックチームがいま、大切にしていることについて教えてください。

まずはやはり、お客様中心であることです。単なる物売りではなく、お客様に価値を提供できるチームでありたいと考えています。そのためにも、ニーズに寄り添った的確な情報提供やウェブコンテンツなどのデジタル活用には力を入れていきたいですね。

原料の提案は、薬機法の対象となる検査薬等に比べると、自由な発想がより活かされる仕事です。いまある原料をどのようなかたちで提供し、どのようにお客様の研究開発に役立てていくか、やり方は私たち次第。たとえば、海外のカスタムバイオテックチームでは粉末の原料をより使いやすくするために、現地の製造技術会社と協業して固形のビーズ型につくり変えたことがあります。そうすると、冷凍保管しなくてはいけなかった原料が室温で保管できたり、一個単位で使用できたりと、使い勝手がぐっとよくなるんですね。そうしたカスタマイズやパートナー企業との連携も含め、柔軟な提案がしやすいぶん、さまざまな角度からお客様に貢献できたらと考えています。

――最後に、カスタムバイオテック事業の今後のビジョンを聞かせてください。

私たちのビジョンは、お客様が世界にイノベーションを起こせるように、ロシュならではの価値を届けることです。昔から培われてきた技術力や品質の高さをもってすれば、まだまだ日本の医療は発展できる。そして、私たちがその一助になれると信じています。クライアントが新しい開発を実現することは、その先の患者さんだけでなく私たちにとっても、大きな喜びなのです。

カスタムバイオテックの製品情報サイトは(2024年リニューアル)

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