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フィリピン・レイテ島で感じた、子どもの未来を想う気持ち【チルドレンズ・ウォーク アンバサダー】

社員インタビュー社会貢献ロシュのカルチャー

世界中のロシュで毎年行われる、社員参加型のチャリティイベント「ロシュ・チルドレンズ・ウォーク」。世界75拠点、37万人以上の社員が参加し、これまで1,000を超える支援プロジェクトに寄付を行ってきました。

その取り組みのひとつには、アンバサダーと呼ばれる社員を代表するメンバーが支援先を視察する「アンバサダー・トリップ」があります。ファイナンスグループに所属する中込さんは、世界中から2025年のアンバサダーに選ばれたうちの一人。

2026年2月、フィリピンのレイテ島を訪れた中込さんはアンバサダーとして何を感じたのでしょうか。現地で見てきたものや感じたことを伺いました。

「自分の目で見て、感じる」、アンバサダーとして現地の教育現場へ

中込さんは、20年以上ロシュのファイナンス部門でキャリアを積んできました。会社全体の予算計画や予実管理、リスク管理など、いわばロシュの“お財布”を管理する立場です。職務上、チルドレンズ・ウォークの運営に携わったこともありました。入社以来ずっと身近にあったチルドレンズ・ウォークのアンバサダーに選ばれたのは、中込さんにとって大きな驚きだったといいます。

「現地の学校を訪問できる機会があると聞き、大役をいただいたのだから、日本の教育制度などをしっかり勉強して臨まなければと思いました。とはいえ一番大切にしたかったのは、素直な気持ちで参加し、自分自身の目で支援先を見て、感じること。世界各国のアンバサダーやユニセフのメンバーに会えることも、純粋に楽しみにしていました」

2026年のアンバサダーの訪問先は、フィリピンのレイテ島。2021年の台風で甚大な被害を受けた地域のうえ、2025年には大きな地震があり、一度訪問が延期になりました。自然の影響を激しく受ける環境だと聞いてはいたものの、実際に現地入りしてみると、その様子は想像以上でした。

「到着した日は大雨警報のなか、悪路を5時間ドライブして、ようやくホテルに着きました。そこから支援先の学校までは、さらに車で2時間。地元の高校生たちは毎日、10キロ以上を歩いて通学しているそうです。ここでは教育を受けることだけでなく、日々の生活そのものが厳しい環境にあるのだと実感しました」

レイテ島では、2つの小学校と幼稚園を訪問。視察の対象は、ロシュがユニセフと共同で取り組んでいる遠隔地の義務教育プロジェクトでした。生徒数の少ない地域において、複数の学年を一つの教室で教える「マルチグレードクラス」。その運営方法を確立し、フィリピン全土の過疎地教育に展開していくことを目指しています。

「日本では、全員同じ教育を受けられることが当たり前。しかしフィリピンでは、こうしたパイロットプログラムを通じて、やっとそのような教育の形が実現していくんだというギャップがありました。一方で、マルチグレードクラスの工夫は本当にすばらしかったです。先生が高学年と中学年を同じ教室で教えていながら、どちらの生徒も飽きさせないように、グループワークとITツールを組み合わせて授業を進めていく。その効率のよさに驚きました。シティから学校が遠いため、先生方は一週間泊まり込みで指導にあたっているそうです。その熱意にも心が揺さぶられました」

子どもたちの未来のために――ロシュが支える、自立のための仕組みづくり

ロシュは、パイロットプログラムを提供する学校で、ITデバイスの導入を支援しています。中込さんは現地に行くまで、Wi-Fiもまともに入らないような環境で、ITツールがどう役立つのだろうかという疑問がありました。「自分たちの『当たり前』の感覚で、そう思い込んでいた」と、振り返ります。

しかし実際の教室では、ITデバイスが大きな貢献を見せていました。

「算数や国語では教科書代わりに、理科では実験の様子を見せるときに、アプリが大活躍していました。災害の多い地域には欠かせない、地震や台風が起きたときにどう行動すべきかを伝えるような授業にも、ビジュアルが役立ちます。デジタルツールなら先生たちがその場でも授業の内容を調整できるうえ、画面をのぞきこめばみんなですぐに使える。これからの時代を生きていく子どもたちには、ITツールは必要不可欠なものです。早いうちから授業で活用し、慣れてもらうことこそ、まさに現地の人々が将来的に自立するためのプログラム。その仕組みづくりをロシュが支えていることを、とてもうれしく感じました」

社員や会社からの寄付金が、ただ物を配るだけの支援ではなく、教育システムそのものの構築につながっている。ファイナンス部門に長く在籍してきた中込さんにとって、有意義なお金の流れを体感できたことも、大きな収穫でした。

「支援先を訪問するアンバサダーはある意味“監査人”なのかもしれません。社員のドネーションの行く先を見届け、ロシュの社会貢献活動がどのような影響を与えているかを確認し、自国でフィードバックする、大切な役割です」

いくつもの教育拠点をめぐるなかで、現地の教職員や子どもたち、家族との対話も忘れられない経験になりました。

「外国人に会うのは初めてという子どもたちが多かったけれど、皆すごく人懐っこくて、とても癒されました。なかには手を繋いできてくれる子もいたりして、うれしかったですね。親御さんは最初こそ緊張されているんですが、お子さんとどんなふうに暮らしているのかを伺っていくうちに、いろいろと打ち解けてきて。ただ、お仕事のことを聞くと、お父様が出稼ぎに出ているなど、やはり大変な状況があるようでした。親御さんたちが口を揃えて言っていたのは、『高校まで出て、きちんとした仕事についてほしい』ということ。国は違えど、子どもの未来が幸せであってほしいと思う大人の気持ちは同じなんだなと、しみじみ感じました」

未来や社会への貢献と、アンバサダー同士の絆

「患者さんやお客様だけでなく、未来や社会に貢献していく会社でありたいというロシュの姿勢を改めて感じた」と、中込さん。ロシュには、『Doing now what patients need next』というパーパスと、それを支える3つのバリュー(誠実・勇気・情熱)があります。「チルドレンズ・ウォークやアンバサダー・トリップといった活動を何年も継続していることにも一貫性を感じ、改めて腑に落ちる感覚がありました」

世界各国から集まったアンバサダー同士の交流も、有意義なものだったようです。「自分たちの当たり前が当たり前ではない。その認識をもって今の自身の環境に感謝することを自分の子供にも伝えたい」といった声も共有され、印象に残ったといいます。

「そもそも、アンバサダーには個人的にボランティア活動をしているメンバーが多かったです。共通した価値観を持っているから、みんな昔からの知り合いのように、すぐ仲良くなれました。プログラムには現地オフィスの社長も参加していて、その方の発言や行動からも影響を受けましたね。組織のトップに立つ方が通訳まで担い、率先してボランティアに関わっていく姿を見せてくれたのです」

もともと中込さんは、こうした取り組みに対して「継続性」が重要だと思っていました。しかし、他国のアンバサダーから話を聞くと、その年その年で貢献先を変えながら柔軟に対応している例もある。そのやり方なら、リアルタイムで一番困っていることに対応できるという利点もあります。

「継続性も大事ですが、広がりを持つことや、新しいことをやってみるという発想も同じくらい大切なのだと気づかされましたね。もしかしたら、思いついたことをどんどんやってみるのもいいのかもしれません。韓国・中国・台湾のような近いアフィリエイトと組んで、コラボレーションイベントを実施するのも楽しそうだなんてことを考えるようになりました」

ボランティアや社会貢献は、特別なことではありません。思いやりを持つこと、それだけで充分にその精神なのだと、中込さんは語ります。

「社会貢献は、自分たちの日々の延長線上にあるもの――私は、アンバサダー・トリップという特別なイベントに参加して、改めて日常の積み重ねの大切さを感じるようになりました。ロシュは組織として、そんな活動の機会を提供してくれています。自分から動くのは難しくても、イベントに参加することで、自分の思いを実現できる。それを叶えてくれる会社で働いていることの幸せを、かみしめられる経験でした」

2026年も、ロシュ・チルドレンズ・ウォークは世界中の社員の手によって続いていきます。その担い手は、社員一人ひとりです。