ロシュには、多様なキャリアやバックグラウンドを持ったリーダーが大勢います。今回取り上げるのは、滋賀・奈良・京都エリアの営業を取りまとめるフィールドグループマネージャーの久保さん。営業として7年間の経験を積んだあと、悩みながらも昇格試験を受け、2024年春よりマネジメントを担当するようになりました。その道のりや現在感じているやりがいなどを伺います。
――まずは入社からこれまでのキャリアについて教えてください。営業として、どんなことを心がけながらお仕事をされてきましたか?
2017年に新卒で入社してからずっと、大阪で医療機器・検査薬の営業として働いてきました。大切にしていたのは「お客様が困っているとき、一番に相談してもらえるような存在でありたい」という思いです。いま検査室に必要な変化を考え、常にベストだと思うソリューションを提案してきました。
――そうした営業の姿勢によって、久保さんは営業成績全国一位を獲得し、社員総会で表彰もされています。そののち、マネージャー職に挑戦されたのはどんな経緯だったのでしょうか。
営業として経験を積み重ね、後輩を指導する機会などももらうにつれて、社内で「これからどうしていきたい?」と尋ねられる機会がぐっと増えました。でも現場が好きでしたし、自分がマネージャー職に就くなんてそれまであまり考えてこなかったため、昇格試験の受験には踏み出せずにいました。いままでの上司や他のマネージャーと比較して「自分もああならなくちゃダメだ」「でも、あんなすごいリーダーにはなれない」と思い込んでいた部分もあります。
――そこから一歩踏み出せたのはどうしてですか?
「リーダー像はそれぞれでいい」と周りに励まされたり、営業ではない部署の人から「どうしてマネージャーにならないの?もったいないよ!」と言ってもらったりしたのが大きいです。自分なりのマネージャー像について考えてアウトプットしてみるという経験が大切だし、もし挑戦してだめだったとしても絶対に成長の機会になると言われ、確かにそうだと感じました。チャレンジを奨励する温かい社風に、背中を押してもらったんです。
――マネージャーへの昇格試験ではどんな目標をアピールしましたか?
検査室の外に出て医師や経営層からも情報を取得し、現状を踏まえた新しい戦略を練っていけるチームがつくりたい――それが、私が試験でアピールしたマネジメントの目標です。医療業界のDXがどんどん進んでいくなかで、ロシュも今までとは違ったソリューションを販売していく時期にきています。これまで主にやりとりをしてきた検査室といった枠組みを超え、病院全体と向き合っていくことが必要になるのではないかと考えました。
もちろんつい先日まで一営業だった私が、強いリーダーシップを持ってその目標に進んでいけるとは思っていません。だからこそ、チーム全員でともに考え、成長することで、最終的には自走できるチームにしていきたいという意識がありました。
――マネージャー昇格が決まったときは、どんな気持ちでしたか。
昇格試験のプレゼンを終えた時点でやりきったと思えたし、いままでとは違う視点で業務をとらえるよいきっかけだったと感じていたため、合否は本当にどちらでもよいと考えていたんです。でも、いざ昇格が決まってみると「本当にリーダーとしてやっていくんだ」 という静かな覚悟が湧いてきて……不安も抱きつつ、自分を鼓舞したことを覚えています。
――現在は、どんなチームのマネジメントをしていますか?
京都・滋賀・奈良エリアを回る営業3名、学術担当3名、機器の修理・点検をするエンジニア3名のチームを担当しています。営業のことは理解しているつもりですが、学術担当やエンジニアとして働いた経験はありません。まずは日ごろのちょっとした会話からコミュニケーションの機会をつくって、同行の機会も増やしつつ、知識の拡大や信頼関係の構築に努めているところです。
――プレイヤーからマネージャーになり、どんなやりがいを感じていますか。
メンバーが担当している案件を後方支援することで、達成や成長の喜び、うまくいかないつらさを分かち合えるのがうれしいです。先日、入社して半年ほどのメンバーが他社との競合に苦しんでいたときは、まず本人にロシュの製品の良さを思い出してもらい、次に検査室だけでなく医師にもアプローチしてみてはどうかとアドバイスしました。そうして彼らが自ら戦略を立て、医師に向けて必要だと感じた勉強会を開催した結果、提案が受け入れられたんです。私は言葉をかけただけで、行動したのはすべてメンバー自身。「すごく気持ちのいい仕事ができました」とうれしそうな彼らの姿を見て、本当に誇らしくなりましたね。
一般的には「マネージャーは孤独だ」などと聞くことも多いですが、私はこんなふうにメンバーを通して、仕事の喜びを何倍にもしてもらっているように感じています。自分だけで営業しているよりも関われる案件の数が増えるため、経験値もどんどん貯まっていくと感じています。
――管理職になって見えてきたギャップなどはありますか?
ロシュは、こんなにも人を育てることに注力していたんだ、ということを再認識しました。プレイヤーだったときは目の前の業務や案件のことしか見えていなくて、自分が今後どういうキャリアステップを歩んでいくのかさえ曖昧でした。でも、当時のマネージャーが「これからどうしたいの?」と何度も尋ねてくれていたのは、私よりも私の成長や将来について考えてくれていたからだと気づいたんです。
マネージャーになって参加した評価会議でも、社員のモチベーションをいかに上げていくか、どのように社員を評価して伸ばしていくかを決めるために、驚くほどの時間がかけられていました。これからは私自身が、メンバーの素質を見て次のステップに押し上げていくためのアクションを考えていく立場。その責任の大きさに、あらためて気が引き締まりました。
――いまのチームに感じている課題は何ですか?
まだ若いメンバーも多く、私自身も経験が浅いため、チームとしてうまく物事を回していく仕組みが弱いと感じています。タスクの共有や顧客データの管理といった基本的なルールを整え、チーム全員で効率的に仕事を進められるような環境を整えていかなければなりません。そうした経験を通じて、メンバー一人ひとりが成長していくことで、成果もついてくるものだと考えています。また、お客様に対していっそう有意義な提案をしていくために、いつも挑戦を楽しめる雰囲気づくりも大切にしたいですね。
――そうしたチームで、お客様にどんな価値を提供していきたいと考えていますか。
時代に合わせて必要なことをともに考え、お客様の成長に寄り添っていきたいです。検査室の環境がよくなるということは、出産や育児、介護などで職員さんたちのライフステージが変わっても、誰もが働きやすい環境になっていくということ。日ごろの業務をさらにシュリンクし、病院が本当にやりたいことに注力できるよう、ロシュならではの貢献を続けたいです。
――最後に、ロシュでリーダーを目指すメンバーについてメッセージをお願いします。
私が考えるリーダーの役割は、メンバーが何かを成し遂げるときの困難を取り除くことです。個別案件のマネジメントにとどまらず、チーム全体が進む方向を見ながら一人ひとりに必要なサポートを考え、雰囲気や仕組みをつくっていくことが大切だと思っています。私だけではうまくできなくても、メンバーの言葉や周りの意見に耳を傾けていけば、突破口が見えてくるはずです。
いまリーダーに興味があるけれどなかなか勇気が出せずにいる人は、目指すレベルが高すぎるのかもしれません。本当は自信満々なリーダーなんていないし、私自身もいままさに、試行錯誤のなかで取り組んでいます。でもロシュには、意欲がある人を受け入れ、挑戦させてくれる文化がある。うまくいかない経験だって、かならず糧になります。もし興味があるなら、ぜひチャレンジしてみてほしいですね。
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