アルツハイマー病に関連する217位リン酸化タウ蛋白を血液で測定する検査薬の製造販売承認申請のお知らせ
2026.8.10
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:前田 桂)は、血液検体(血漿)を用いて217位リン酸化タウ蛋白(pTau217)を測定する検査薬「Elecsys pTau217」について、体外診断用医薬品として厚生労働省に製造販売承認の申請を2026年8月6日に行いました。本検査薬は、当社のコバスシリーズの全自動免疫分析装置を用いて測定を行います 。
世界中で、アルツハイマー病の早期かつ正確な診断には依然として障壁が存在しています1)2)3)。認知症全体でみると、患う人の約75%が未診断であると推定されており1)2)3)、診断を受けた場合でも、認知機能低下の症状が最初に現れてから診断に至るまで、通常平均で約3.5年を要しています1)2)4)5)。アルツハイマー病に関連する脳の変化を把握する検査へのアクセスを改善することは、診断を加速させるために極めて重要です。
近年、アルツハイマー病に関連する血液バイオマーカーの開発が進んでいます。中でも血漿中のpTau217は、アミロイドPET検査を参照とした時に脳内Aβ蓄積を高い精度で検出できることが報告されており、臨床的に活用が可能なバイオマーカーとして推奨されています6)。また低侵襲な採血で採取可能であるため、認知機能の低下や症状を訴える人々に対し、検査に伴う身体的・精神的・経済的負担を軽減するとともに、より早期かつアクセスしやすいアルツハイマー病診断への貢献が期待されます。
ロシュ・ダイアグノスティックスは、本品を必要とする患者さんに一日も早くお届けできるよう、承認取得に向けた取り組みを進めてまいります。
海外における「Elecsys pTau217」の状況7) 8)
本検査薬は、2024年4月にFDAのブレークスルーデバイス指定を受けました。その後、2026年5月にはCEマークを取得しました。本検査はイーライリリー・アンド・カンパニーと共同開発された血液検査で、一次・二次診療の現場において2つのカットオフ値を用いてアミロイド病理の有無を判定(ルールイン・ルールアウト)することを目的とした、アルツハイマー病に関連する脳の変化を把握する初の単独アッセイ設計の血液検査として展開されています。
Elecsys pTau217のCEマーク取得は、アルツハイマー病の初期段階(主観的認知機能低下、軽度認知障害および軽度認知症)にあるリアルワールドの集団を対象とした、レトロスペクティブ研究のデータに基づいています。年内のFDA承認を前提として、米国への展開も視野に入れています。
1)Orgeta V, et al. Dementia takes 3.5 years to diagnose after symptoms begin. University College London; 2025. Available at:
https://www.ucl.ac.uk/news/2025/jul/dementia-takes-35-years-diagnose-after-symptoms-begin
2)Alzheimer’s Disease International. World Alzheimer Report 2021: Journey through the diagnosis of dementia. ADI; 2021. Available at:
https://www.alzint.org/resource/world-alzheimer-report-2021/
3)Kusoro O, et al. Time to diagnosis in dementia: a systematic review with meta-analysis. International Journal of Geriatric Psychiatry. 2025. Summary available at:
https://www.ucl.ac.uk/news/2025/jul/dementia-takes-35-years-diagnose-after-symptoms-begin
4)Clifford Jack Jr, Dunn B, Snyder H.,et al. Revised criteria for diagnosis and staging of Alzheimer’s disease: Alzheimer’s Association workgroup. Alzheimer’s & Dementia. 2024;1–27. doi:10.1002/alz.13859. Available at:
https://alz-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/alz.13859
5)Schindler SE, et al. Acceptable performance of blood biomarker tests of amyloid pathology — recommendations from the Global CEO Initiative on Alzheimer’s Disease. Nature Reviews Neurology. 2024;20(7):426–439. doi:10.1038/s41582-024-00977-5. Available at:
https://www.nature.com/articles/s41582-024-00977-5
6)認知症に関する脳脊髄液・血液バイオマーカーの適正使用ガイドライン 第3版
https://www.bri.niigata-u.ac.jp/info/guideline_20250331.pdf
7) https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2024-04-11
8) https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2026-05-12
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