ロシュグループ/診断薬事業部門 2020年度第一四半期業績のお知らせ

本資料はロシュ・ダイアグノスティックスの親会社であるF.ホフマン・ラ・ロシュ社が2020年4月22日(スイス現地時間)に発表した英文プレスリリースを一部抜粋した翻訳版です。この資料の正式言語は英語であり、表現や内容については英語の原文が優先されます。(記述される製品には日本未発売の製品も含まれています)

原文は下記URLよりご参照ください。
 

*日本国内では、ダイアベティス・ケア事業(血糖測定関連事業)は、ロシュDCジャパン株式会社が担当しています。

ロシュグループ/診断薬事業部門 2020年度第一四半期業績のお知らせ

  • ロシュグループ売上は、バイオシミラーとの競合による影響を補う以上に新製品が躍進、現地通貨ベースで7%ならびにスイスフラン換算で2%

  • 診断薬事業部門の売上は、主に遺伝子検査製品が牽引し、5%の成長

  • 診断薬事業部門の主な承認製品:
    アメリカで、CINtec Plus Cytology とコバス 6800/8800用のコバス HPVテスト(日本国内製品名:コバス 6800/8800 システム HPV)が子宮頸がんスクリーニング検査薬として承認

*特に指定のない限り、この記事で記載しているすべての成長率は、現地通貨ベースです(CER:2019年の平均値)

 

COVID-19パンデミックの影響

  • 一部の市場の動揺が第一四半期の業績に与える影響は限定的

  • 医薬品及び検査キットのグローバルサプライチェーンは正常に機能

  • FDA が、新型コロナウイルスの感染を検出する検査キット、コバス SARS-CoV-2の緊急使用許可 を発行、本検査は CE マーク準拠の国においても利用可能 

  • コバス SARS-CoV-2 の生産体制を大幅に増強

  • 新型コロナウィルス感染患者の抗体を調べる血清検査キット、Anti-SARS-CoV-2 は開発の最終段階にあり、5 月初旬の出荷を目指す。また 6 月までに月間生産量を数千万テストにまで引き上げ、可能な限りさらなる増産を目指す

 

診断薬事業部門の売上高は、全体で 5%増の 29 億スイスフランとなりました。遺伝子検査の牽引により、モレキュラー・ダイアグノスティックス事業(+29%)が主に成長に貢献しました。地域別では、北米が 12%、EMEA(ヨーロッパ、中東、およびアフリカ)が 7%、ラテンアメリカが 20%、そして日本が 14%とそれぞれ売上増となりました。アジア・パシフィックにおいては、中国の COVID-19 パンデミックによる都市機能停止の影響を強く受け、11%のマイナス成長となりました。全世界的に見ると北米、ヨーロッパ、ラテンアメリカにおける需要は、これらの地域でパンデミックの発生が遅かったことから、第一四半期では COVID-19 の影響は比較的少ない結果となりました。緊急検査や COVID-19 検査が大幅に増加した一方で、定期健康診断が減ったことにより、通常の検査は減少しました。

診断薬事業部門 2020年第一四半期の主な新製品

新型コロナウイルスを検出するコバス SARS-CoV-2 は、わずか 6 週間で開発された後、FDA による緊急使用許可を受けて上市しました。CE マークを必要とする国においても利用可能です。この検査は、世界中に設置されているロシュの全自動遺伝子診断装置コバス 6800 およびコバス 8800 を用いて行います。病院および検査機関では、測定結果を最速で提供するこれら大容量システムでの検査が可能となっています。24 時間の稼働で提供できる測定結果は、コバス 6800 で最大 1,440 テスト、コバス 8800 で最大 4,128 テストです。より多くの検査がより迅速に行えるようになり、世界中の患者、医療従事者、地域社会に確実な情報を提供することが可能になりました。

 

FDA は、CINtec PLUS Cytology を、コバス 4800 HPV (国内販売名:コバス 4800 システム HPV)を用いた一次検診で HPV 陽性となった女性に対する初めてのバイオマーカーベースのトリアージ検査として承認しました。このバイオマーカー技術によって、分かりやすい結果が提供され、臨床上の意思決定が簡便化されることで、臨床医と女性は次のステップをより明確にすることができます。

 

またコバス 6800 およびコバス 8800 システム用のコバス HPV テストが、子宮頸がんスクリーニング検査においてFDA の承認を受けました。子宮頸がんのリスクがある女性を特定し、前がん病変を早期に発見して治療することで、がん化への進行を防ぐことを目的としています。

2020年第一四半期の主要マイルストーン

COVID-19 肺炎を引き起こす新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に暴露した人々に存在する抗体を検出するanti-SARS-CoV-2 は、現在開発の最終段階です。抗体検査は、ウイルスに感染した人、特に感染した可能性があるものの症状の発生を伴わなかった人を判別するのに役立ちます。ロシュは、保健医療当局と密接に連携しながら、5 月初旬までに本検査薬の CE マーク取得ならびに米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可(EUA)の取得を目指しています。また、6 月までに毎月の生産量を数千万テストにする計画を立てており、できるだけ早くさらなる増産に取り組んでいきます。

 

Elecsys GALAD スコアが、FDA からブレークスルーデバイス指定を受けました。このアルゴリズムスコアは、性別と年齢を、Elecsys AFP、AFP-L3、そして PIVKA-II のバイオマーカー値と組み合わせたもので、早期肝細胞がんの診断補助に用いられます。

診断薬事業部門

2020 年第一四半期は、COVID-19 の影響があったことから、各事業領域の売上は大きく変動しました。全般的なトレンドとして、緊急検査と COVID-19 検査が大きく増加した一方で、定期健診が減った結果、通常検査が減少しました。しかしながら、ロシュの多様かつ広範な検査のポートフォリオと世界中に設置された多くの装置によって、これらの影響を相殺することができました。

 

セントラライズド/ポイント・オブ・ケア ソリューション 1の売上は 1%減となりました。免疫検査事業は、中国の都 市機能停止が大きく影響したことで 4%のマイナス成長となりましたが、血液ガス分析装置を含む緊急検査に 牽引されたポイント・オブ・ケア・テスティングが 8%増と大きく成長したことで一部相殺されました。


モレキュラー・ダイアグノスティックス 2の売上は、基幹ビジネスの成長が 32%で、全体でも 29%増となりました。 PCR 検査(分子・遺伝子標的の検出)、核酸精製検査(遺伝物質の分離と精製)、ウイルス検査(主にコロ ナウイルスとインフルエンザウイルス)、子宮頸がん検査、血液スクリーニング、そしてシークエンシング事業が成長 に貢献しました。2020 年 1 月から 2020 年 3 月下旬にかけて、ロシュは新型コロナウイルス検査製品の生産 能力(試薬・消耗品)を約 10 倍に増強しました。これには、1 月以降、多数の新型コロナウイルス検査で使用 されてきた MagNA Pure および LightCycler 用の製品ポートフォリオと、全自動遺伝子分析装置 cobas 6800/8800 システムで測定する初のハイスループット検査、コバス SARS-CoV-2 の開発および供給が含まれま す。ウイルス検査では、HBV および HCV を含む通常検査は、新型コロナウイルス検査にリソースを移したことに より売上が減少しました。


ダイアべティス・ケア 3は、EMEA 地域、特にドイツ、イタリア、そしてイギリスでの血糖自己測定製品の値下げ圧 力と、特に中国における COVID-19 の影響が主な要因となり 2%の売上減となりました。売上は、主にアキュチ ェックガイドおよび Accu-Chek Instant の製品ラインによる成長で一部相殺されました。糖尿病管理のデジタル ソリューション(Accu-Chek SugarView、RocheDiabetes Care Platform、および mySugar)が市場に好意的 に受け入れられたと考えられます。


ティッシュー・ダイアグノスティックス 4の売上は 12%増となりました。アドバンスト・ステイニング製品が成長を牽引 したことに加え、機器セールスが 2019 年下半期に発生した出荷遅延を解消し増収に転じたことも要因となり ました。地域別では、北米(+12%)および EMEA(+9%)が主に寄与しました。

本件のお問い合わせ先

【事業領域説明】:

  1. セントラライズド/ポイント・オブ・ケア ソリューション:免疫・生化学検査、血液凝固検査、ポイント・オブ・ケア・テスティング(POCT) 

  2. モレキュラー・ダイアグノスティックス:遺伝子検査用試薬・機器

  3. ダイアべティス・ケア: 血糖測定関連事業

  4. ティッシュー・ダイアグノスティックス: 病理学的検査用試薬・機器

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