ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:小笠原 信)は、非小細胞肺がんのうちALK陽性患者の診断補助に用いる体外診断用医薬品「ベンタナ OptiView ALK(D5F3)」の一部変更承認申請を1月31日に行いました。中外製薬株式会社(本社:東京都 中央区/代表取締役会長 最高経営責任者:永山 治)のALK阻害剤「アレセンサ」に対するコンパニオン診断薬としての承認を目指します。
「ベンタナ OptiView ALK (D5F3)」は、ロシュ・ダイアグノスティックスが販売しているALK融合タンパクキットです。現在、ALK阻害剤のうちクリゾチニブおよびセリチニブのコンパニオン診断薬として、ALK陽性非小細胞肺がん患者の診断補助に用いられています。院内検査として広く実施されている免疫組織化学(IHC)法を測定原理とし、ベンタナ ベンチマークシリーズの自動免疫染色装置を用いて検出を行います。煩雑な手技は必要なく、光学顕微鏡による観察ができるため、効率的で迅速な結果報告が可能です。 今回の申請で、ALK阻害剤「アレセンサ」に対する適応追加の承認が得られれば、「ベンタナOptiView ALK (D5F3)」は現在販売されているすべてのALK 阻害剤のコンパニオン診断薬になります。本診断薬の適応拡大は、対象患者の早期診断、早期治療にこれまで以上に貢献できると確信しています。
「アレセンサ」は、中外製薬が創製したALK選択性の高い経口のALK阻害剤です。「アレセンサ」の投与にあたってはALK診断が必須であり、「ベンタナOptiView ALK (D5F3)」が「アレセンサ」のコンパニオン診断薬になることで、迅速かつ適切なALK融合遺伝子陽性の診断が期待されます。
個別化医療のパイオニアであるロシュ・グループの一員であるロシュ・ダイアグノスティックスと中外製薬は、患者さん一人 ひとりに合わせた治療選択のために、さらなる貢献を続けてまいります。
ウサギモノクローナル抗体である一次抗体(クローンD5F3)と、高感度検出キットである「ベンタナ OptiView DAB ユニバーサルキット」およびタイラマイドによる増感を行う「ベンタナ OptiView 増感試薬」との組み合わせによって承認されています。免疫組織化学(IHC)法を測定原理とし、自動免疫染色装置を用いた染色と光学顕微鏡による観察が可能であるため、院内で実施しやすく、より効率的で迅速な検査が期待できます。IHC法単独でALK阻害剤の適応判定が可能なコンパニオン診断薬として製造販売承認されているのは、「ベンタナ OptiView ALK (D5F3)」だけです。
非小細胞肺癌の約5%でALK融合遺伝子の発現が報告されています1)。この融合遺伝子が発現している細胞は恒常的にALKチロシンキナーゼ活性が上昇しており細胞増殖が制御されず、細胞が腫瘍化していると考えられています2), 3)。アレセンサは、このチロシンキナーゼ活性を選択的に阻害することにより腫瘍細胞の増殖を阻害し、細胞死を誘導することで抗腫瘍効果を発揮します4)。
海外では、アレセンサは米国、欧州、クウェート、イスラエル、香港、カナダ、韓国、スイス、インド、オーストラリア、シンガポール、台湾、タイ、リヒテンシュタイン、アルゼンチン、アラブ首長国連邦、サウジアラビアおよびトルコにて、「クリゾチニブに不応または不耐容のALK陽性の転移性(進行)非小細胞肺癌」を効能・効果とした承認を取得しています。あわせて、米国、欧州およびトルコでは、「ALK陽性の進行非小細胞肺癌(一次治療)」についても承認されています。
国内での効能・効果は「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」であり、販売名「アレセンサ®カプセル150mg」として、中外製薬が販売しています。
スイス・バーゼルに本社を置く世界有数のヘルスケア企業であるF.ホフマン・ラ・ロシュの診断薬事業部門の日本法人です。2017年2月現在、従業員727人、全国9都市に支店、物流センターを有し、体外診断薬・機器事業、研究用試薬・機器事業などを幅広い領域で事業を展開しています。私たちは、医療従事者の皆さまが最適な治療選択や意思決定が行えるよう、臨床検査の医学的価値および効率性を高めるソリューションをお届けします。
詳細は、
中外製薬は、医療用医薬品に特化し東京に本社を置く、バイオ 医薬品をリードする研究開発型の東京証券市場一部上場の製薬企業であり、ロシュ・グループの重要メンバーとして、国内外で積極的な医療用医薬品の研究開発活動を展開しています。特に「がん」領域を中心に、アンメット・メディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。 国内では、御殿場、鎌倉の研究拠点が連携して創薬研究活動を行う一方、浮間では工業化技術の研究を行っています。海外では、シンガポールに拠点を置く中外ファーマボディ・リサーチが革新的な抗体創製技術を駆使し新規抗体医薬品の創製に特化した研究を行っています。また、米国と欧州では、中外ファーマ・ユー・エス・エー、中外ファーマ・ヨーロッパが臨床開発活動を行っています。2016年の連結売上高は4,918億円、営業利益は806億円(Coreベース)でした。
中外製薬に関するさらに詳しい情報は
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
ロシュ・ダイアグノスティックス広報グループ Tel:
中外製薬広報IR 部メディアリレーションズグループ Tel:
参考
日本肺癌学会バイオマーカー委員会. 肺癌患者におけるALK遺伝子検査の手引き
Soda et al., Nature. 448: 561-566 (2007)
Takeuchi et al., Clin Cancer Res. 15: 3143-3149 (2009)
Sakamoto et al., Cancer Cell. 19: 679-690 (2011)
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