営業車に水素カーを導入。ロシュのCO2削減への新たな取り組み。

ロシュ・ダイアグノスティックスでは、15年以上前から営業車にハイブリッドカーを導入しはじめ、2020年には全車をハイブリッドカーに切り替えました。そして2021年には、新たな試みとして、水素カーの導入を開始。現在使用している営業車330台のうち5台は水素カーです。

水素カーは、水素と空気中の酸素で発電し、その電気でモーターを駆動させて走ります。走行中のCO2排出量がゼロになるのはもちろん、発電のために吸い込んだ空気をフィルターでろ過したあとは、浄化して排出。PM2.5などの大気汚染物質まで取り除くため、走れば走るほど空気をクリーンにできる車です。

とはいえ、価格帯や街中に水素ステーションが少ないことから、一般的にはまだ普及段階にあります。それでもロシュ日本法人がいち早く営業車に取り入れた背景にあるものは、何でしょうか。

最初は、使い勝手も半信半疑。それでも環境のためにアクションをはじめた

ロシュでは毎年、安全(safety)・健康(health)・環境(environment)という3本軸に基づいて、5ヶ年の活動目標を設定してきました。グローバルが設定した数値目標から、各国で具体的なアクションを策定します。日本法人では、2021‐2025年の目標として「ガソリン使用量の5%削減(2019年比)」を掲げていました。その推進のために導入されたのが、水素カーです。

「日本ではその数年前からハイブリッドカーの導入を進めていたため、次に試すべきはさらに新しい時代の車、水素カーだと考えました。病院や販売代理店を次々に訪ねる営業部の社員は、日々かなりの距離を走行します。そうやって毎日使うものからリプレイスを進めることで、こつこつと数字を削減できるのではないかと思ったんです。プロジェクトが持ち上がった1年前は、社長車のリース期間がちょうど終わるタイミングだったので、まずは社長車から水素カーに切り替えました」と、プロジェクトの立ち上げから携わり、現在では配車を担当している工藤さんは話します。

水素ステーションがなかなか増えていないため、最初はディーラーの担当者でさえ「社用車にされるんですか?」と驚いたのだそう。でも、トップから迅速に行動したことで、プロジェクトには弾みがつきました。水素ステーションが比較的多いエリアのマネージャーを中心に、少しずつ乗り換えを進めていったといいます。

「はじめのうちは『水素カーってどういう車なの? ちゃんと走れる?』と、戸惑いを見せる方も少なくありませんでした。でも『ガソリン車と同じように、朝に水素を入れていけば大丈夫です』とお伝えして、性能などを説明し、ひとつずつ不安を解消していきました」(工藤さん)

意外にも社内のムードは追い風で、予定していた5台の水素カーすべてに、ドライバーの割り当てを終えました。

「プロジェクトが持ち上がったときは、誰もがその使い勝手や成果予測に半信半疑でした。でも、小さいトライアルを繰り返して物事を進めるアジャイルのように、ロシュにはまずなんでも挑戦してみようという文化があるんです。環境問題と真摯に向き合い、着実にアクションしていくロシュの姿勢が、手前味噌ながらとてもいいなと感じています」(工藤さん)

環境に優しく、使い心地もいい。乗るだけで社会に貢献できる

では、実際に水素カーを業務に活用している社員の感想は、どうでしょうか。神奈川エリアでフィールドマネージャーをしている坂尾さんは、一日に3、4件の病院や販売代理店を車で訪問しています。

「もともとハイブリッドカーに乗っていたため、水素カーにも興味を持っていました。自宅近くに水素ステーションもあったので、営業車で水素カーが選べるようになったと聞き、すぐに切り替えたんです」(坂尾さん)

環境に優しい車だから、少々パワーが弱かったり使い勝手が悪かったりしても仕方ないか、と考えていた坂尾さんでしたが、モーターの力強さや加速のスムーズさは予想以上でした。水素ステーションは確かにまだ少ないけれど、充てんのタイミングさえ気をつけておけば、さほど大きなマイナスにはなりません。充てんにかかる時間がわずか数分というのも、ガソリンと同様に使いやすいところでした。

坂尾さんは、ロシュの姿勢に大きく共感しています。

「以前は自家用車を会社が借り上げてくれる制度があり、好きな車で仕事ができるので、それはそれで社内で好評でした。でも、ロシュは環境への配慮を優先するために、ハイブリッドカーの導入を決めました。自分たちができるところからCO2削減に貢献しようとする姿勢に、強く誇りを感じています。そういった意識は、車に限ったことではありません。業務のペーパーレス化やクラウド化はもちろん、名札をプラスチック製から国内の間伐材を利用した木製に変えるなど、ロシュではさまざまな環境への取り組みを行っています。お客様とサステナビリティの話をするきっかけが増えるのは、すばらしいことですよね」(坂尾さん)

5年間でガソリン量を5%削減するのは、簡単なことではありません。

「あと一段階、なにかしらの施策が必要になるとは考えています。例えば、水素ステーションが増えたり、電気自動車がもっと手ごろになったりすれば、予算と相談しながら導入を拡大していきたい。エコカーは走れば走るほど削減につながりますし、特に水素カーは空気もきれいにしてくれるので、社員の皆さんには仕事にどんどん活用していただけたらと思っています」(工藤さん)

そのときどきでベストな方法を模索しながら、果敢なトライアルを続けていく。それが、ロシュのサステナビリティへの取り組みなのです。

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