大事な仕事を続けるために、ほんの少し、 検査を受ける時間をつくってください。

松条華さん

モデル・俳優の松条さんは、以前は看護師として都内の病院に勤めていました。松条さんにはお世話になった看護師の先輩がいましたが、松条さんの退職後に、子宮頸がんで亡くなったそうです。先輩のことや、松条さん自身の病気の経験から、検査について考えてきたことを教えてくれました。

松条さんが勤めていたのは都内の総合病院。日々さまざまな病気の患者さんが訪れる忙しい病棟でした。そこへ新人の看護師として配属された松条さんに、採血の仕方や患者さんとの接し方など、看護の基礎を教えてくれたのが先輩でした。20歳くらい歳上で、その病院に10年以上勤めるベテラン。子育てをしながらフルタイムで働く、パワフルな女性だったそうです。「仕事ができて頼りがいのある人でした。厳しいけれど、私がミスをして落ち込んでいると、お菓子や飲み物をくれたりして、愛情を持って接してくれました」と振り返る松条さん。配属されて3年ほど経ったある日、突然先輩が休職するという通達がありました。理由を知らされなかったため、松条さんは不思議に思ったそうです。そしてその数ヶ月後、先輩は自分の勤めていた病院に、子宮頸がんの患者さんとして入院することになりました。

先輩のがんはすでにかなり進行していました。松条さんは入院までの経緯をはっきりとは知りません。ただ一緒に働いていた時から、たまにひどい腰の痛みや、体調が優れないことがあると口にしていたそうです。先輩が入院して、松条さんは担当の看護師として先輩と再会します。関係が変わってどう接していいのか戸惑う松条さんの気持ちを察するように、先輩はいつも笑顔で話しかけてくれました。「採血、上手になったね」と言ってもらえたことが、強く心に残っているそうです。先輩は入退院を何度か繰り返しましたが、病状が快方に向かうことはありませんでした。松条さんは、芸能の仕事を志して病院を退職してから1年後、病院時代の同僚と会った時に、先輩が亡くなったことを知りました。「もし腰が痛むと先輩が言っていた時に、検査を受けるようにすすめていれば」と、松条さんは悔しそうに話します。

実は松条さん自身も数年前に、子宮頸がんの一歩手前と言われる「高度異形成」と診断されました。自治体から子宮頸がん検査を無料で受けられる検査券が届いたので、軽い気持ちで受けてみたところ、まったく予想していなかった診断結果となり、大きなショックを受けたそうです。その後も検査を受け続けて自然軽快と診断され、幸い子宮頸がんには至らなかったものの、現在も経過観察として6ヶ月に1度検診を受けに病院へ通っています。「もし検査を受けず、異変に気づかないでそのまま放っていたら、今頃どうなっていたかと思うと、とても怖いです」。そうしたこともあって、今では定期健診はもちろん、たとえばコンタクトレンズを変えるのにも眼科で検査を受けるなど、こまめに自分の身体と向き合うようになりました。

また、子宮頸がんの検診受診率の低さにも目を向けるようになったそうです。世界の国々と比べると、日本の子宮頸がん検診の受診率は、乳がん検診とともに低いと言われています。芸能という仕事柄、メディアを通じて話をする機会も多い松条さんは、自分が感じた病気の怖さや、健康の大切さを伝えることで、そうしたがんに対する女性の意識を少しでも変えていきたいと考えています。

看護師として多くの患者さんと接してきた経験からも、松条さんは検査の重要性を痛感しています。「自覚症状があるのに病院へ行かずに病気が悪化し、やっと診察を受けたら身体がぼろぼろになっていたというケースをたくさん見てきました。そういう患者さんは、仕事が忙しく、日常に追われている人が多いように思います」。亡くなった先輩も、夜勤で働くことが月に何度もあったそうです。「大事な仕事を続けるために、大切な人を守り続けるために、ほんの少し、検査を受ける時間をつくってほしいと思います」。また、お金がかかるから検査を受けないという人には、「検査を受けることは、長い目で見れば医療費を下げることにつながるよ」と言って受診をすすめているそうです。「もし気づかないうちに病気が進行して、入院治療をすることになったら、検査とは比較にならないほどお金がかかります。

検査を受けて、早めに治療することが、結果的には医療にかかる支出を抑えることになると思うんです」。自分の言葉をきっかけに、大切な人を失って悲しい思いをする人が、一人でも減ってくれたらうれしいと話す松条さん。「華ちゃんならできるよ」、いつもそう言って励ましてくれた先輩の笑顔を思い出して、自分の選んだ道をまっすぐに歩きつづけます。

松条華さん

モデル・俳優として多数の映画やドラマ、CMなどに出演。病気や体調について相談されることが多いので、普段から勉強し、なるべく的確なアドバイスができるように心がけているそうです。

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