突然がんの疑いがあると告げられ、崖から突き落とされたような気持ちに。

自分を過信せず、忙しさを言い訳にせず、 現実と向き合って検査を受けてほしい。

勝山寛さん

印刷インキメーカーで管理職を務める勝山さん。ステージⅢの大腸がんと診断されましたが、手術から約5年を経て完治しました。がんが見つかったきっかけは、職場の健康診断。それから勝山さんは、完治までの道のりをどのように歩んだのでしょうか。そして今、勝山さんが検査について思うこととは。

勤続30年を越え、事業を統括する立場についていた勝山さん。その年も例年と同じように定期健診を受けましたが、結果はいつもと違いました。大腸がん検査の結果が、便潜血陽性(便の中に血液が混じっていること)となったのです。勝山さんは指示に従って、二次検査を受診。内視鏡検査を受けた後に、医師から大腸がんの疑いがあることを告げられました。がんの中には、遺伝や生活習慣が関わっているものがあると言われています。しかし勝山さんには、家族や親戚の中でがんになった人は、思い当たりませんでした。生活習慣の面でも、仕事の付き合いでお酒を飲む機会はそれなりにあったものの、喫煙は一切しないなど、身体には気を使ってきたこともあって、まさか自分ががんになるとはまったく想像していなかったそうです。勝山さんは「いきなり高い崖から突き落とされたような気持ちでした」と語ります。

転移が多数確認され、大腸がんステージⅢbの確定診断が出る。

慌てて医師に紹介された大学病院に足を運んだ勝山さんは、そこで改めて内視鏡検査や血液検査、MRI検査といったさまざまな検査を受けます。そして、内視鏡で採取した大腸の組織の一部を、顕微鏡で詳しく観察する病理検査が行われました。病理検査は、がんかどうか、良性か悪性か、静脈やリンパ節へのがん細胞の転移の程度など、診断を確定するために用いられる重要な検査です。それらの検査結果などをもとに、勝山さんに確定診断が出されました。がん細胞のリンパ節への転移が15個以上認められる、大腸がんステージⅢb。ある程度心の準備をしていた勝山さんでしたが、いざ確定診断を受けるとずっしりと気持ちが重くなり、何か冷たいものが首筋をつたうような感覚があったそうです。

確定診断の後、勝山さんは医師から切除手術と入院治療をすすめられました。そして入院手続き後に、手術の術式やスケジュール、術後の治療方針や後遺症のリスクなどの説明を受けました。それまで手術や入院の経験がなかった勝山さんは「家族にかかる負担や、仕事上の支障を考えると憂鬱になり、不安で何も考えられませんでした」と当時を振り返ります。幸いにも切除手術は無事に終わり、抗がん剤を使った入院治療が始まりました。勝山さんはいくつかの選択肢の中から、当時臨床試験が行われていた、新しい経口薬による投薬治療を希望しました。入院期間は約半年に及び、切除した部位の痛みや疾患、また体温の急な上昇といった副作用は見られたものの、経過はおおむね順調だったそうです。その間には、経過を調べるために多くの検査が行われました。造影剤を使ったCTスキャン、血中の白血球・赤血球・血小板などの増減や腫瘍マーカーの数値を調べる血液検査、体内で起きている炎症の有無を調べる高感度CRP検査などです。しかし勝山さんの場合、確定診断の前から、これらの検査では大きな数値の変化が見られなかったということです。

「食生活を見直し、運動を心がけ、体の定期的なメンテナンスを」

無事に治療を終えて退院した松山さんは、経過観察として3ヶ月に1度のペースで通院し、検査を受けるようになりました。この期間も大きな問題はなく、血液検査やCTスキャンなどの検査を継続するだけで済んだそうです。仕事にも復帰することができました。とはいえ切除手術の後遺症として、便秘を起こしやすくなってしまったため、現在も整腸剤や酸化マグネシウムを飲んで腸を整えているということです。大病を経て、勝山さんの日常は大きく変わりました。野菜中心の食生活になり、体重は10kg以上減。以前は慢性的な運動不足でしたが、腸に適度な刺激を与えるためにも、クロスバイクでのサイクリングを始めたそうです。「昔の自分と同じように、日ごろ不摂生を繰り返している自覚のある方には、ぜひ食生活の見直しや、運動する習慣をつけることをおすすめします」と話す勝山さん。検査の大切さも身をもって知りました。特に目視でがんを確認することができ、病理検査にもつながる内視鏡検査の大切さを感じたそうです。

最後にみなさんに伝えたいことをたずねると、「『自分は大丈夫だろう』と過信したり、仕事の忙しさを言い訳にしたりせず、体の不調という現実と向き合って、定期的なメンテナンスを心がけてほしいと思います」と明るく答えてくれました。

勝山寛さん

まもなく定年を迎える勝山さん。いつも勝山さんのそばに寄り添い、治療生活を支えてくれた奥様と、一緒に温泉旅行にでも行こうと話しているそうです。

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