プロジェクトストーリー

新しい検査室を作るために。 チームで一体となり、世界基準のシステムを国内に初めて導入。

医療施設の検査室において、一人ひとりの患者さんの検体検査を安全に、効率的に行うために、そのプロセスには常に先進性が求められています。

ロシュグループは、さまざまな分析装置を、検体を搬送するラインで接続して、検査室を1つのシステムとして統合する「Connected Core Lab(コネクティッド・コア・ラボ)」をグローバルに展開。検査室の課題解決に貢献しています。

日本の医療施設にも、初めてロシュの検体搬送ライン「CCM(cobas connection modules)」が導入されました。検査の効率化を実現して、一人ひとりの患者さんのための「個別化医療」を推進する、新たな一歩となりました。

PROJECT MEMBERS
  • T.E:営業職(DMR)

  • H.E:Workflow&IT

  • F.I:フィールドエンジニア職(FSE)

  • A.T:学術職(FSP)

01

検査の自動化・効率化を実現したプロジェクト

2017年、ロシュの検体搬送ライン「CCM」を日本の医療施設に初めて導入しました。すでにロシュの製品を使用されていたお客様より、午前中の検体が多い時間帯での処理能力を向上させたいというご要望があり、処理能力が高い製品に替えるのと同時に、「CCM」を導入することにより検査技師の皆様の負担が減り、検査室の省力化が図れますという改善策を提案しました。

例えば血液の検体検査では、採血管の栓を開けたり、検体を必要な量に分けたりという前処理の作業が必要になります。それまでは専用機、もしくは手作業で前処理をしてから、分析装置まで運んで検査をしていました。しかし「CCM」の導入により、これらの前処理・運搬・分析を自動的に行うことができるようになりました。人為的なミスを防ぎ、検体が飛散することによる感染のリスクも軽減されます。検査技師の皆様に、より安全な検査環境を提供することができました。

導入後、「CCM」は順調に稼働中。省力化に関しても評価を頂いています。

02

ロシュならではの「チーム力」で取り組んだ

今回のプロジェクトでも、複数の部署が連携しながら一緒に取り組む、ロシュ・ダイアグノスティックスのチーム力が発揮されてきました。

「CCM」を導入する以前から、お客様の検査室で機械のトラブルが起こった際には、営業担当、FSP、FSEが頻繁に現場に赴いて細やかな対応を続けてきました。その真摯な対応を評価して頂き、新しい製品を導入する際にも、ロシュ・ダイアグノスティックスを選んで頂いたように思います。

普段から、私たちはチームとして力を合わせて仕事を進めます。例えば、FSP(フィールドサイエンティフィックプロモーター)は学術面からお客様をサポートする職種です。実際に検査をするなかで発生する疑問に答え、日々の検査がしやすいように、お客様と親密な関係を築いてサポートに取り組みます。

FSE(フィールドサービスエンジニア)は、検査室への製品の設置から、その後の点検、修理までを幅広く担当します。緊急の修理の依頼がなくても、定期的にお客様のもとを巡回訪問して、検査室の問題点を聞いています。

FSPとFSEは、試薬や測定原理にも詳しい分析装置のドクターのような存在です。営業担当としても頼りにしています。

私が所属するWFIT(ワークフロー&IT)は、国内に「CCM」を導入するにあたり新設された部署です。コンサルティングのチームが検査室の業務効率化のために調査や改善提案を行い、機器・ITのチームが製品の販売準備や、検査室で「CCM」を運用するにあたっての調整などを担当します。

WFITが「CCM」運用面のスペシャリストとして一緒に動いていることは、私たちとしても心強く、いつも新しい知識を頂いています。

03

最適な運用のために、微細な調整を続けた

お客様には、「CCM」を導入するにともない、例えば採血管のような消耗品も新しいものに替えて頂く必要がありました。これは検査室だけではなくて、採血をする看護師の皆様の業務にも関わってきます。検査システムも変わりますから、病院にもご協力を頂きながらプロジェクトを進めていきました。

国内で初めての「CCM」導入ということもあり、打ち合わせの段階から丁寧に、慎重にプロジェクトに取り組みました。ただ、今回のプロジェクトでは製品の一部の機能が、検査室のニーズと一致しないことがあり、運用面でカバーして頂く必要が出てきました。検査システムのメーカーの協力を得て、体系的に運用ができるように工夫を重ねました。最終的には病院、検査システムのメーカー、ロシュ・ダイアグノスティックスの3者間で調整を続けて、実際の稼働にいたりました。

お客様にとっての最適な運用を実現するために細かな調整が続きました。そうした意味で、今回は一筋縄ではいかないプロジェクトとなりました。

04

CCM導入により検査室の「見える化」も実現

海外では、大型の検査センターなどで「CCM」が多くの分析装置をつないで稼働している例があります。施設の規模に応じてカスタマイズができるため、私たちWFITもコンサル、機器、ITのメンバーが役割分担をしながら、お客様のニーズに合わせた最適な提案を行っています。

技術的な話としては、「CCM」を導入すると「コバス インフィニティ」というミドルウェアがLIS(Laboratory Information System)と呼ばれる医療機関の検査情報システムと連携して、検体の受付から前処理、測定、結果報告、検体の保管までの検査の工程を統合・自動化します。検査のデータを一元管理するために、例えば、検体が検査室に着いてから、検査の結果が出るまでの時間管理も瞬時に行います。今回のプロジェクトでは、検査室の処理能力を大幅に向上するとともに、50インチの大型モニターを設置して、検体検査の「見える化」も実現しました。一人ひとりの患者さんの検体が、検査室でどういう状況になっているのか。それらを検査技師の方のみならず、病院で働く多職種の方が同時に、一つの画面から確認することができるようになりました。

05

「個別化医療」の進展につながる大きな一歩

「CCM」導入に見られるように、検査室のシステム化が進むことにより、近い将来、患者さんがどこの病院に行っても健康診断の結果や、これまでの健康状態に関するデータを共有できるという時代が来るかもしれません。また、病院の検査室と連動したビッグデータ解析が進展することで、全国各地で地域ごとの医療の取り組みが進むなど、患者さんにとっての良いところが増えていくことも予見されます。もちろん、個人情報の保護をはじめとする課題がありますので、すぐに実現できることではありませんが、患者さんための個別化医療につながる第一線で働いていることは、私の喜びでもあります。

検査室の機械が替わる時は、それなりの労力が必要となりますが、ロシュ・ダイアグノスティックスのチームと、お客様とで新しい検査室を一緒に作り上げるという一体感を感じられる場面でもあります。「大変なこともあったけれど、良かったね」となると、お客様との信頼関係が生まれますし、そういった時には仕事についてのやりがいを強く感じます。

FSPと重なりますが、FSEとしても、お客様との関係を次につなげる仕事をすることが、私たちのあるべき姿かなと思っています。お客様と密な関係を築くことを意識しながら、毎日の仕事に取り組んでいきたいです。

今回のプロジェクトでは、お客様の検査室で生化学、免疫の分野で効率化に貢献することができました。今後も、ロシュからは幅広い分野の製品が登場します。将来は、検査室の扉を開けると、全てロシュの製品が並んでいるという光景が広がっていることも考えられます。それを目指したいですね。

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