国内初、HER2低発現乳がん患者の診断をサポート 「ベンタナ ultraView パスウェーHER2 (4B5)」 「エンハーツ® 」のコンパニオン診断薬として一部変更承認取得

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:小笠原 信)は、がん組織又は細胞中のHER2タンパク検出に用いる組織検査用腫瘍マーカーキット「ベンタナ ultraView パスウェーHER2 (4B5)」の一部変更承認を2023年3月3日に取得しました。HER2低発現(IHC 1+またはIHC 2+/ISH‑)の乳がん患者を対象とした「エンハーツⓇ」(トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd/DS-8201))(第一三共株式会社)のコンパニオン診断薬として使用できます。

 

HER2は、多くのがん細胞表面に発現するタンパク質です。HER2の過剰発現はがんの進展や予後不良に関連します。このため、乳がん等においてはHER2発現レベルを調べる検査が行われ、HER2陽性患者を対象とした抗HER2治療薬の適応判定補助に用いられてきました。また、乳がん患者の約半数にHER2が低レベルで発現(HER2低発現)していることが知られていましたが、日本国内では、これまでHER2低発現乳がんを対象とした抗HER2治療薬はありませんでした。

 

「ベンタナ ultraViewパスウェー HER2 (4B5)」は、がん組織又は細胞中に発現するHER2タンパクを検出する体外診断用医薬品です。免疫組織化学 (IHC)法を測定原理とし、ベンタナ ベンチマークシリーズの自動免疫染色装置を用いて染色を行います。HER2発現レベルを調べる検査に用いられています。このたび、エンハーツⓇがHER2低発現の乳がんに対する治療薬として適応拡大されたことに伴い、「ベンタナ ultraViewパスウェー HER2 (4B5)」はその適応判定補助に使用できる国内初のコンパニオン診断薬として承認されました。乳がん患者に新しい治療の選択肢を特定することに貢献できるようになりました。

【ベンタナ ultraViewパスウェー HER2 (4B5)の承認内容等について】

使用目的: 

1.  生体由来の組織又は細胞中のHER2タンパク(HER2)の検出(悪性腫瘍の診断補助等)

2.  がん組織又は細胞中のHER2タンパク(HER2)の検出(トラスツズマブ(遺伝子組換え)の唾液腺癌患者への適応を判定するための補助に用いる)

3.  がん組織又は細胞中のHER2タンパク(HER2)の検出(トラスツズマブ(遺伝子組換え)及びペルツズマブ(遺伝子組換え)の結腸・直腸癌患者への適応を判定するための補助に用いる)

4.  がん組織又は細胞中のHER2タンパク(HER2)の検出(トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)の乳癌患者への適応を判定するための補助に用いる)

 

※下線は今回の承認部分です。

 

今回の承認は、国際共同第Ⅲ相試験 DESTINY-Breast04試験の成績に基づいています。本試験では、化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳がん患者を対象に、治験担当医師が選択した治療薬を対照薬としたエンハーツⓇの有効性の検証が行われました。本試験の被験者の腫瘍組織検体におけるHER2発現の確認には、IHC法として「ベンタナ ultraView パスウェーHER2 (4B5)」が用いられました。

 

対応機器: 

全自動免疫染色装置「ベンチマークULTRA PLUS」、「ベンタナ ベンチマークULTRA」、「ベンタナ ベンチマークGX」、「ベンタナXTシステム ベンチマーク」

本件のお問い合わせ先

広報(報道関係者向け)

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