抗体医薬品の開発、製造の品質管理における IgG抗体の血中半減期評価、分析に 「FcRn Affinity Column Gen2」発売

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:小笠原 信)は、抗体医薬品の血中半減期の評価、分析に有用な高速液体クロマトグラフィー用カラム「FcRn Affinity Column Gen2」を10月24日に発売しました。

抗体医薬品は、抗体が生体内の標的分子に特異的に作用するため、副作用が少ない効果的な医薬品、特にがんの治療薬として注目を集めています。また血中半減期が長いことも特徴です。抗体医薬品に使われるIgG抗体は、血管内皮細胞等に存在する新生児型Fc受容体(FcRn)と結合することで、細胞内で分解されるのを回避し、血中にリサイクルされるため、比較的長い血中半減期を保持することができます。

「FcRn Affinity Column Gen 2」は、FcRnを固定化し、プレパックしたクロマトグラフィー用のカラム製品です。一般的なHPLC(高速液体クロマトグラフ)システムにセットして、すぐに使用することができます。IgG抗体に対して特異的な結合親和性を有しており、溶液のpH濃度を変化させることで、各pHにおけるFcRnとの親和性に基づくIgG抗体の分離、分析が可能で、医薬品の半減期に関連する研究、開発、分析にも利用できます。

本品は、ロシュグループの医薬品事業部門が開発し、バイオ医薬品の開発過程で用いられる分析手法に基づき、診断薬・機器事業部門が製品化しました。医薬品候補の研究開発、治療用抗体製造における品質管理にお役立ていただけます。ロシュ・ダイアグノスティックスは、今後も革新的な製品を提供することで、バイオ医薬品の開発、製造、品質管理を支援してまいります。

【製品概要】

製品名: FcRn Affinity Column Gen2

分 類: 抗体医薬品の品質管理、製造工程用

  • 抗体の半減期の分析に対して迅速化、標準化が図れ、有用な医薬品候補となる抗体の開発を加速

  • 充填済みカラムで、すぐにHPLCシステムにセットして使用可能

  • SPR、ELISA法に比べ、様々なpHでのIgG抗体とFcRnの親和性をより簡便に分析可能

【製品写真】

【生体内IgG抗体とFcRn(胎児性Fc受容体)の親和性について】

FcRnは、IgG抗体のFc領域に結合し、血漿中から細胞内に取り込まれたIgG抗体がリソソームで分解されるのを回避します。IgG抗体は細胞内に取り込まれた後、エンドソーム内の酸性条件下でFcRnに結合し、細胞表面に移行します。細胞表面に移行すると、抗体は血漿中の中性条件下でFcRnから解離し、血漿中に再び汲み出されます。このリサイクリング機構により、IgG抗体の血中濃度が維持されます。FcRnとIgG抗体のpHに依存した親和性は、抗体医薬品の半減期の延長と作用持続の強化にとって極めて重要です。

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