ロシュグループ/診断薬事業部門 2020年度通期業績のお知らせ

本資料はロシュ・ダイアグノスティックスの親会社であるF.ホフマン・ラ・ロシュ社が2021年2月4日(スイス現地時間)に発表した英文プレスリリースを一部抜粋した翻訳版です。この資料の正式言語は英語であり、表現や内容については英語の原文が優先されます。(記述される製品には日本未発売の製品も含まれています)

原文は下記URLよりご参照ください。

*日本国内では、ダイアベティス・ケア事業(血糖測定関連事業)は、ロシュDCジャパン株式会社が担当しています。

*特に記載の無い限り、この書類におけるすべての成長率は恒常為替レート(CER)で計算されています(CER:2020年の平均値)

2021年2月4日バーゼル発

  • ロシュグループの売上は恒常為替レートでは1%のプラス成長。スイス フランの主要通貨に対する高騰の影響で、スイス フラン換算では5%のマイナス成長

  • 診断薬事業部門の売上はCOVID-19関連検査により通年で14%(第4四半期は28%)の成長:COVID-19の影響で減少した通常検査の売上を補って余りある結果

  • COVID-19パンデミックに対するロシュの貢献:

    • COVID-19関連で15の新しい検査薬を発売

    • 第4四半期に発売された主な検査薬
          - 米国:ワクチンで誘発された免疫反応を測定するのに重要な役割を果たすElecsys Anti-SARS-CoV-2 S抗体検査
          - ヨーロッパ:COVID-19の感染が疑われる患者の大量検査に役立つElecsys SARS-CoV-2抗原検査

    •  検査製品のサプライチェーン能力のさらなる拡大へ向け、大規模な投資(スイスフラン8億以上)

    • 主な協業:リジェネロン社と、臨床試験中の抗ウイルス抗体薬の供給量増強を目指す(8月)、アテア社と、COVID-19経口治療薬の可能性を探るため契約締結(10月)、モデルナ社、ロシュが発売した抗体検査を現在開発中のワクチン試験に使用(12月)

  • 強力なパイプライン:過去最多の19の新規化合物が第III相臨床試験または承認申請の段階にあり、研究開発への投資が8%増加、スイスフランで122億となった

ロシュ グループ CEO(最高経営責任者)のセヴェリン・シュヴァンは次のように述べています。「ロシュはCOVID-19パンデミックとの闘いにおいて重要な貢献をし続けていきます。私たちは記録的な速さで診断ソリューションの包括的なポートフォリオを開発し、効果的なCOVID-19の治療薬を開発・製造するために新たなパートナーシップを締結しました。がん、多発性硬化症、血友病、脊髄性筋萎縮症などの重篤な状態にある患者向けの新薬への需要は依然として高くあります。私たちの強固になった製品ラインナップおよび開発中の新薬パイプラインの大きな進捗により、ロシュは今後の成長が強く望める位置にいます。」 

診断薬部門は力強い成長を見せ、14%増の138億スイスフランとなりました。この成長は主に業界をリードするCOVID-19検査薬の新製品ポートフォリオによるものです。モレキュラー・ダイアグノスティックスがCOVID-19関連検査により、主に成長を牽引(+90%)しました。

2020年に開発されたSARS-CoV-2関連の検査薬と、緊急検査の売上がCOVID-19の影響を受けた通常検査のマイナス成長を明らかに上回りました。

複数のCOVID-19ワクチン試験で使用されているスパイク抗体検査などの更なる製品の発売が第4四半期にあり、ロシュの迅速さとイノベーションの力をさらに示しました。

各地域の成長率は、ヨーロッパ、中東およびアフリカが+19%、北アメリカが+26%、中南米が+14%、そして日本が+5%となりました。アジア太平洋地域は3%のマイナス成長となりましたが、厳しいCOVID-19パンデミック制限により通常検査が減少している中国(-11%)の影響によるものです。

診断薬事業部門: 2020年にロシュは新型コロナウイルスの診断のために、検査室およびポイント・オブ・ケアでの使用を目的とした遺伝子検査と免疫検査を含む、15のソリューションを記録的な速さで開発しました。ロシュはこれらの新しいポートフォリオと既存の救急ケア用の診断メニューによって、パンデミックとの闘いにおいて引き続き貢献を続けていきます。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種者がまだ少なく、治療薬も広く用いられていない状況の中では、検査はパンデミックとの闘いにおいて数少ない有効な手段となります。
SARS-CoV-2検査に対する高い需要に応えるために、ロシュは世界中で1,000以上の新規雇用を創出し、総生産能力を大幅に強化しました。2020年末までに、1,000台以上のハイスループットの全自動遺伝子検査装置cobas 6800システムおよびcobas 8800システムが設置されました。これは当初の予測のおよそ2倍にあたります。これらの展開は、検査室が急速に拡大するCOVID-19検査の世界的な需要に応えるのに貢献します。

 

12月にElecsys Anti-SARS-CoV-2-S抗体検査が米国食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可(EUA)を取得しました。この免疫検査は(既にCEマーク準拠の市場で発売)、スパイクたんぱく質に対する抗体を検出します。開発されている多くのCOVID-19ワクチンにおいて、このスパイクたんぱく質がターゲットとなっています。SARS-CoV-2に曝露した人がもつ抗体を定量的に測定するのに用いられ、ワクチンによって誘発される免疫反応を見分けるうえで重要な役割を果たすことが期待されます。

ロシュは、進行中のCOVID-19ワクチン試験にロシュの抗体検査を組み込むことで、モデルナのような主要なワクチン開発企業と協業しています。

また12月には、SARS-CoV-2の有症状者の診断補助として、大量検査が可能なElecsys SARS-CoV-2抗原検査を発売しました。CEマーク準拠の市場で使用可能となり、またFDAへEUAを申請しました。医療従事者により行われる検査で、COVID-19の有症状者、またはウイルスへの曝露が疑われる人から採取されたスワブ検体を用います。

幅広いCOVID-19検査薬製品ラインナップに加え、ロシュは顧客と患者のために、他にもいくつかの重要な診断の進歩をもたらしました。
 

これらは、cobas prime(遺伝子検査のための多種類かつ大量の検体を検査室で受け取り準備するのに用いる、初の全自動による前処理システム)や、がんの迅速で正確な検査結果を示す3つの次世代機器uPath 画像分析アルゴリズム(デジタルパソロジー:組織サンプルにより生成されたスキャンの自動分析)などが含まれます。

 

その他の新発売製品としては、cobas Epstein-Barr ウイルス (EBV)とBKウイルス (BKV)検査が昨年半ばにFDAに承認されました。共にFDAによるブレイクスルーデバイスに指定されていました。ロシュのハイスループット分析装置cobas 6800/8800システムを使用し、固形臓器移植後もしくは造血幹細胞移植後の一般的であるが生命を脅かす、EBVおよびBKV感染症の影響を受けるリスクのある患者を医療従事者がモニタリングし、治療することを可能にします。

 

の売上は1%減少:免疫診断事業は世界中で通常検査の減少に非常に大きな影響を受けましたが、なかでも中国のCOVID-19パンデミックの影響が大きくありました。ヨーロッパ、中東及びアフリカ地域では、COVID-19のPOC検査(SARS-CoV-2迅速抗原検査など)の売上の伸長により通常検査の減少が相殺され、プラス成長となりました。北米においては、売上の減少はカスタムバイオテック事業(診断薬およびバイオテック製造者に向けて製品とソリューションを提供)により相殺されました

の売上は90%成長しました。この力強い売上成長はウイルス学の分野(主に3月に発売されたSARS-CoV-2を検出する初のハイスループットのPCR検査)で、LightMixシステム(病原体検知パネル)やPOC遺伝子診断薬も貢献しました。

の売上は、患者が持続血糖測定装置(CGM)へと使用製品を切り替えたことにより5%減少しました。COVID-19パンデミックもまた影響を及ぼしました。主にヨーロッパ、中東及びアフリカ地域で売上減少がみられました。デジタル血糖管理ソリューション(RocheDiabetes Care Platformや mySugr、Accu-Chek SugarView)は引き続き明るい要素です。

の売上は5%増加:アドバンスト・ステイニング製品の売上成長や前年にあった製造遅れの回復、そしてコンパニオン診断薬の成長が寄与しています。COVID-19パンデミックによる検査数減少で部分的に相殺されています。

広報(報道関係者向け)

参考:

  1. セントラライズド/ポイント・オブ・ケア ソリューション:免疫・生化学検査、血液凝固検査、
    ポイント・オブ・ケア・テスティング(POCT) 

  2. モレキュラー・ダイアグノスティックス:遺伝子検査用試薬・機器

  3. ダイアべティス・ケア: 血糖測定関連事業

  4. ティッシュー・ダイアグノスティックス: 病理学的検査用試薬・機器

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