ロシュ、モデルナ社と提携 進行中のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の ワクチン試験にSARS-CoV-2抗体検査で参加

本資料はロシュ・ダイアグノスティックスの親会社であるF.ホフマン・ラ・ロシュ社が2020年12月9日(スイス現地時間)に発表した英文プレスリリースの抜粋です。この資料の正式言語は英語であり、表現や内容については英語の原文が優先されます。

原文は下記URLよりご参照ください。

  •  モデルナのワクチンは、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)のスパイクたんぱく質に対する免疫反応を誘発します。

  • Elecsys Anti-SARS-CoV-2 S 抗体定量検査試薬は、ワクチン試験参加者の新型コロナウイルスに対する抗体を定量的に測定し、新型コロナウイルス感染症の予防に対する相関関係を評価するのに役立ちます。

  • Elecsys Anti-SARS-CoV-2 S 抗体定量検査試薬は、米国食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可(EUA)を2020年11月25日に取得しました。

2020年12月9日バーゼル発 - ロシュ(SIX:RO、ROG、OTCQX:RHHBY)は本日、モデルナ社(以下、モデルナ)のmRNA-1273ワクチン研究試験に、Elecsys® Anti-SARS-CoV-2 S抗体定量検査試薬を用いることについて、モデルナとパートナーシップを締結したことをお知らせします。これにより、新型コロナウイルス抗体の定量が容易になり、ワクチン誘発による感染防止と受容体結合ドメイン(receptor-binding domain: RBD)に対する抗体の量との相関関係を評価することを助けます。モデルナのワクチンは、新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質のRBDに対して特異的に免疫反応を誘発します。ロシュのElecsys® Anti-SARS-CoV-2 S 抗体定量検査試薬は、米食品医薬品局(FDA)より緊急使用許可(EUA)を取得しました

「ロシュはモデルナとのコラボレーションを重んじています。モデルナは、本研究の初期段階において、ヌクレオカプシドたんぱく質を標的とする当社のElecsys Anti-SARS-CoV-2検出試薬を有効に活用しています。」とロシュ・ダイアグノスティックスCEOのトーマス・シネッカーは述べています。「スパイクたんぱく質を標的とする当社のElecsys SARS-CoV-2 S抗体定量検査試薬においても、モデルナのワクチン試験の一部として使用され、最終的にはこのパンデミックの終息に貢献できるであろうことを嬉しく思います。」

ロシュの検査を用いて、新型コロナウイルスのRBDに対する抗体のレベルを測定することで、モデルナは、ワクチン接種による感染防止と抗体の量との相関関係についての貴重な洞察を得ることができます。このことは、再接種を必要とする人かどうか、またはいつ必要とするかの評価や、その他の臨床的な疑問への回答に役立つことが期待されます。

新型コロナウイルスワクチンの理解を深めるには、ワクチンが誘発する抗体レベルの変化について評価するために、ワクチン接種前にその人が持っている抗体のレベルを確認することが役立ちます。これは、新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質に対する抗体の場合、特に関係します。これらの抗体は強力な抗ウイルス活性を持ち、潜在的な免疫と相関することが示されているためです1。また抗体レベルを測定することは、感染防止および/またはCOVID-19重症化の発症予防におけるワクチンの有効性を確立する上で役割を果たすことができます2。

モデルナとの提携は、SARS-CoV-2のヌクレオカプシドたんぱく質に対する抗体の定性判定にElecsys Anti-SARS-CoV-2検出試薬を採用することから始まりました。これは、試験参加者の自然感染をベースライン化し、評価するために、モデルナのワクチン試験の一部になっています。

モデルナのmRNA-1237などのワクチン候補は、新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質に対する免疫反応を誘発することを目的としています。新型コロナウイルスのワクチン候補は、ワクチン接種者に中和抗体を産生させ、免疫反応を引き起こすことで(他のメカニズムの中でも)機能すると考えられています。これにより、ワクチンは、実際のウイルスに曝露されることなく、制御された方法で、新型コロナウイルスの曝露を認識し抵抗するために人の免疫機能を強化します2。

Elecsys® Anti-SARS-CoV-2 S抗体定量検査試薬は、ヒト血清および血漿中の新型コロナウイルスに対する抗体を定量測定する体外診断用のイムノアッセイです。血液検体を用いて、コロナウイルスのスパイクたんぱく質に対する抗体の量を測定します。具体的にこの検査では、ウイルスのスパイクたんぱく質の特定の領域に対する抗体を標的とします。スパイクたんぱく質は、ウイルスが宿主細胞に侵入するときに必要とされる宿主細胞受容体との結合に関与します。

このような抗体の存在とレベルは、人がすでにこのウイルスに感染しているか、またウイルスに対する免疫を獲得している可能性があるかのシグナルになりえます。

これは、ワクチンによって誘発される免疫反応を特徴づける上で重要な役割を果たします2。 現在のワクチン候補の多くは、スパイクたんぱく質に対する抗体反応を誘発することを目的としています。

Elecsys Anti-SARS-CoV-2検出試薬は、新型コロナウイルスに対する抗体(IgGを含む)を検出するイムノアッセイです。この検査は、新型コロナウイルスに対する抗体を検出し、このウイルスにすでに感染しているか、また、ウイルスに対する免疫を獲得している可能性があるかを示唆することができます。またこの検査は、特定の集団における血清有病率(ウイルスに対する抗体を持つ割合)の確認だけでなく、新型コロナウイルス感染の診断に用いる核酸増幅検査(NAAT)の補助にも役立ちます。 

世界中の病院検査室ならびに検査会社において広く使用されているロシュcobas免疫分析装置でこれら2つの検査を実施することが可能です。これらの全自動分析装置においては、装置にもよりますが、約18分の測定時間で、1時間当たり最大300テストの測定が実施できます3。

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広報(報道関係者向け)

参考:

  1. Masters PS (2006). The molecular biology of coronaviruses. Advances in Virus Research. Academic Press. 66: 193–292; (2) Hoffmann, Markus et al. (2020). Cell. 81(2):271-280.e8;

  2. Zhu FC et al. (2020). Immunogenicity and safety of a recombinant adenovirus type-5-vectored COVID-19 vaccine in healthy adults aged 18 years or older: a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 trial. The Lancet 396:479 - 4882)

  3. Full specifications of the Roche immunoassay systems, including throughput, can be found on our diagnostics.roche website

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