PCRの活用例




PCR法を用いた遺伝子検査が活用される病気の例
B型肝炎・C型肝炎の検査

B型肝炎やC型肝炎の原因ウイルスであるHBVやHCVの検査では、病態の判断や治療薬の効果をモニタリングするため、血中のウイルス量を知る目的で定量PCRが行われています。
一方で健康診断などで実施されるスクリーニング検査では、効果的な肝炎患者の発見のため、B型肝炎ウイルスの抗原検査やC型肝炎ウイルスの抗体検査などが行われています。そして、これらの検査で陽性となった人が、さらに精密な検査として定量PCR検査を受ける仕組みになっています。
子宮頸がん検査(HPV)

子宮頸がんの原因の殆どにHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが関与していることが知られています。このウイルスを調べる検査でPCRが使われています。子宮頸がんの検査では細胞診という検査が一般的に行われてきましたが、近年ではHPVをPCR検査でより高感度に調べる方法も普及してきています。
子宮頸がんは、「予防できるがん」とも言われています。定期的な検診が早めの予防につながります。
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がん遺伝子検査

がんの治療では、事前に患者さんのがんのタイプを調べて特定の薬が効くかどうか調べることがあります。この時に用いられる検査の中には、PCR法を用いた検査もあります。がん組織や血液中の遺伝子変異などを調べる際に役立っています。
白血病

「血液のがん」とも言われる白血病においても、染色体や遺伝子の異常を調べる目的でPCR法の検査が活用されています。


その他の活用例
カテゴリ
主な活用例
臓器移植

臓器移植のドナー(臓器を提供する人)とレシピエント(提供された臓器の移植を希望する人)のマッチングでPCR検査が実施されています。
周産期医療

我が国における妊婦検診では公費負担でクラミジアのPCR検査が実施されています。
献血

提供された血液はPCR検査などによってウイルスがいない事を確認してから輸血や血液製剤の原料などに使われています。
法医学

DNA鑑定の際にPCR法が使われ、主に以下のことに役立っています。
・事件の容疑者の特定
・罪を不当に告発された人の容疑を晴らす
・犯罪や災害の被害者の特定
・家族関係の立証
農業・食品・環境

・絶滅危惧種や保護種の特定
・植物の種や家畜の血統・系統の判定
・遺伝子組換え食品(GMO)の安全の確認
・キャビアやワインなどの消耗品が本物であることの証明
・空気、水、土壌、食品の汚染に関与する細菌や微生物の検出



