PCR技術の進歩 前編

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サーマルサイクラーの変遷

コンプレッサーからペルチェ素子を使用したものに進化したり、ヒートリッド搭載の機種が出てきたことで蒸発を防ぐためのミネラルオイルを使わなくてよくなったりと、いくつもの進化を経て今の形になっています。

  • コンプレッサー:エアコンのようにヒートポンプの循環によって温度を上げ下げします。
  • ペルチェ素子:板状の半導体熱電素子で、電流を流す方向を変えることで加熱と冷却を制御することができます。
  • ヒートリッド:反応液を95℃付近まで加熱するPCRでは液の蒸発が課題となります。水分が蒸発して反応液が濃くなるとPCR反応が正しく行われないことがあります。蒸発した水分はチューブの蓋に水滴として付着するのですが、チューブの蓋を常に100℃以上に加熱したリッド(フタ)で押さえつけて加熱することで、こうした水滴がつかず反応液の蒸発を防ぐことができます。ヒートリッドが開発されるまでは、95℃では蒸発しないミネラルオイルを反応液の上に積層することで蒸発を防いでいましたが、手間がかかることやオイルの扱いが難しいことなどが課題でした。  
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DNA増幅を観察(可視化)する方法

1. PCR (アガロース電気泳動)

アガロースゲル電気泳動法とは、アガロース(寒天)でできたゲルにDNAをおき、直流電流を通電させることでPCRで増幅させたDNA断片を分離することができる技術です。DNAはマイナスに荷電しているため、電気を流すとプラス極の方へとアガロースゲルの中を移動していきます。

ゲルの中をDNAが泳動していくとき、小さなDNA断片は素早くアガロース分子のあいだをすり抜けていくのに対して、大きなDNA断片はゆっくりと移動していきます。このことから電気泳動することで、増幅産物のおよその大きさを知ることができるほか、元の鋳型のDNAは巨大なDNA鎖ですからほとんど泳動されませんから、PCRによって増えた産物のみを見ることができるようになります。

PCR (アガロース電気泳動) - イメージ


ただし、電気泳動をしただけではDNAは無色透明のままですので、電気泳動した後のゲルをエチジウムブロマイド(EtBr)やサイバーグリーン(SYBR Green)といった色素で染色する必要があります。これらの色素はインターカレーターといって、DNAの二本鎖に結合して紫外線や蛍光によって光るという性質があります。従ってPCR後の増幅した二本鎖DNAがある場所が光るようになるため、PCRによって意図した通りに増幅産物ができているかを確認することができるようになります。

 

PCR (アガロース電気泳動) - 技術者 - イメージ

 

アガロースゲル電気泳動のメリットは…

  • 比較的安価な設備や試薬で実施することができる
  • 増幅産物の大きさや量をある程度見分けることができる
  • アガロースゲルからPCR産物のみを抽出することで、増幅産物を他の実験に用いることができる

等があげられます。

 

一方でデメリットとしては…

  • PCR後の増幅産物を取り扱うため、ほんの僅かな液滴の飛散でも実験室が増幅産物で汚染されてしまうリスクがある
  • PCR反応後に電気泳動を行うなど手間がかかる

などがあります。

 

2. リアルタイムPCR

リアルタイムPCRは、PCR反応中の反応液をサイクルごとに蛍光カメラで撮影し、その蛍光強度の変化からPCR反応を観察する技術です。サイバーグリーン(SYBR Green)などのインターカレーターを用いる方法と、TaqManプローブ(加水分解プローブ法)を用いたプローブ法が主流となっています。いずれの方法でも、反応溶液中の二本鎖DNAの量が増えていくに従って蛍光強度が強くなっていく仕組みになっており、PCR反応によって指数的にDNA断片が増えていくと、蛍光強度も併せて指数的に強くなって行きます。
 

増幅曲線

リアルタイムPCRは一般的に図のような増幅曲線として測定されます。横軸はサイクル数、縦軸は蛍光強度です。サイクル数が増えるにつれて、もしPCR反応が起こった場合、DNAの量に合わせて蛍光強度も強くなっていきます。PCR反応の初期(サイクル数が少ない)では蛍光強度も大きく増えませんが、反応が進んでくると図のようなシグモイドカーブと呼ばれるS字状のカーブを描いて蛍光強度が増加します。反応の後半で蛍光強度が増えなくなるのは、反応液中の基質(A,T,G,C)やプライマーが枯渇してそれ以上PCR反応が起こらなくなってくるためです。

リアルタイムPCR - 増幅曲線  - イメージ

 

リアルタイムPCRのメリットは…

  • 増幅後の産物を扱う必要がないため、実験室の汚染リスクが低い
  • サイクル数毎に蛍光強度を測定するため、元の検体に含まれる鋳型DNA量が推測できる
  • 複雑な操作を必要としないため、比較的扱いやすい
  • TaqManプローブでは蛍光物質を変えることで一つの反応液で二つ以上のPCR反応を同時に行う事が容易である

等があげられます。

 

一方でデメリットとしては…

  • 設備や試薬が比較的高価である
  • 増幅産物のサイズなどがわからないため、特異的な増幅が起こっているか判別しにくい

等があげられます。

リアルタイムPCR - 研究者  - イメージ

 

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