ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

閉じる

OPEN

ロシュ・ダイアグノスティックスのプレスリリース

2009年05月14日

臨床用DNAチップでは国内初
薬剤代謝酵素チトクロームP450の遺伝子多型解析DNAチップ
「アンプリチップ CYP450」の製造販売承認を取得

 

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(代表取締役社長兼CEO:小川 渉)は、2009年5月12日付で、薬剤代謝に関与する酵素、チトクロームP450(以下CYPとする)の代謝能力に関係が深い遺伝子の型(アレル)を判定するDNAチップ「アンプリチップ CYP450」の医薬品の製造販売承認を取得しました。

CYPは、体内で働く酵素として多くの薬剤を代謝することで知られています。 また、CYP 2C19、CYP 2D6をはじめ数多くの種類が存在し、それぞれが複数の薬剤の代謝に関与しています。 CYPには、それぞれの種類において、多型といわれる遺伝子の型の個人差が存在し、この組み合わせ(多型の発現パターン)により決定されるタイプ「アレル」は、薬剤代謝能力の個人差を示す素因となります。薬剤の治療効果や副作用の発現が個人によって異なるのは、このためです。「アンプリチップ CYP450」は、CYP 2C19(消化器系潰瘍剤など多数の薬剤の代謝に関与)およびCYP 2D6(抗うつ剤、抗精神薬、βブロッカー、抗不整脈剤、乳がん治療薬などの代謝に関与)の2種類のCYPについて、それぞれ「アレル」を判定し、関与する薬剤代謝能力を割り出します。

従来、CYPについて多くの「アレル」を正確に判定するには、複数の手法を組み合わせた煩雑な操作と多大な時間を要しました。ロシュ 独自の遺伝子増幅技術であるポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)と、一度に多くの遺伝子判定を可能とするアフィメトリクス社のDNAチップ技術の融合により、簡便な「アレル」判定が実現しました。

【製品特性】

  • DNAチップに配された15,000以上の検出プローブ(DNA断片)により、CYP 2C19では3つ、CYP 2D6では27のアレルの判定が可能
  • わずか100ngの血液由来のゲノムDNAより、CYP 2C19およびCYP 2D6のアレル判定が可能
  • サンプル調製(前処理)から検出までの過程を約8時間で処理
  • キャリーオーバーコンタミネーション(以前の増幅産物が一部残り、持ち越されること)が原因となる偽陽性判定を防止

【CYP 2C19およびCYP 2D6における判定可能なアレル数および薬剤代謝能 評価区分】

CYPの種類 代謝に関与する薬剤判定可能なアレル数 薬剤代謝能 評価区分
CYP 2C19 消化器系潰瘍剤など多数の薬剤 3
  1. 著しく低い(Poor metaboliser)
  2. 一般的(Extensive metaboliser)
CYP 2D6 抗うつ剤、抗精神薬、βブロッカー、
抗不整脈剤、乳がん治療薬など
27
  1. 著しく低い(Poor metaboliser)
  2. 低い(Intermediate metaboliser)
  3. 一般的(Extensive metaboliser)
  4. 高い(Ultra-rapid metaboliser)

この代謝能の差により、患者さまによっては、副作用を示す薬物血中濃度となる可能性があったり、逆に薬効を示すには不十分な投与量となる可能性を引き起こします。

【用語説明】

①薬物代謝
薬剤が体内に取り込まれてから代謝される能力には個人差があり、この能力の高低により期待される薬理効果に差が表れる。薬剤の副作用の発症にも影響する。
②多型
SNPsや塩基の欠損、挿入、重複などといった、ある一定以上の頻度で出現する遺伝子により構成されるDNA配列の個体差
③アレル
1つ、ないしは複数の多型の組み合わせで決定される遺伝子の個体差のタイプ
④DNA(デオキシリボ核酸)チップ
スライドガラスに多数のDNA断片(プローブ)を配置し、特定の遺伝子配列の有無を検出する方法。一度に複数の遺伝子の判定が可能となり、オーダーメイド医療への応用が期待されている。

【発売時期】

2009年5月下旬

【必要機器】

Gold-plated 96 well GeneAmp PCR System 9700(ABI社)、GeneChipマイクロアレイ解析システムGCS3000Dx v.2(シスメックス社)、専用ソフトウェア(ロシュ・ダイアグノスティックス)等が別途必要

 

【アレル判定工程】

STEP1:サンプル調製
血液検体からゲノムDNAを抽出

TEP2:CYP遺伝子の増幅
STEP1で抽出したゲノムDNAを遺伝子増幅装置を用い、PCR法にて増幅

STEP3:増幅産物の断片化と修飾

STEP2で得られた増幅産物をDNAチップにハイブリダイゼーション(結合)しやすいサイズに切断し、末端修飾を行う

STEP4:ハイブリダイゼーションと蛍光修飾
STEP3で処理した増幅産物を、DNAチップ上の各CYPアレルに特異的なDNA断片(プローブ)とハイブリダイゼーションさせ、さらに蛍光色素を末端修飾部分に結合させる

STEP5:解析装置による検出と専用ソフトウェアによる判定
DNAチップ解析装置により蛍光検出し、どのDNA断片(プローブ)に結合したかを判定し、CYPの各アレルのタイプを決定する

【製品写真】

<画像データは、下記URL「製品画像ダウンロード」より入手可能です>
http://www.roche-diagnostics.jp/news/photo/index.html

「アンプリチップ CYP450」
「アンプリチップ CYP450」

本件のお問い合わせ先

広報・CSRグループ

電話03-5443-7040

FAX03-5443-7113

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社